研究課題/領域番号 |
19K23351
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
利川 寛実 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (10851363)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ADHD / 注意障害 / 早産低出生体重児 / 認知機能 / 早産児 / 低出生体重児 / 不注意症状 / 注意欠如多動性障害 / 注意機能 / Low birth weight (LBW) |
研究開始時の研究の概要 |
低出生体重(LBW)児は、注意障害や注意欠如多動症(ADHD)の頻度が高いことが知られているが、一般のADHDにくらべて不注意の問題が多いことや成人になっても改善することが少ないなど、臨床的特徴が異なる。そのため、従来のADHD評価尺度では正しく判断できておらず、教育現場での判断や学習支援の不十分さが懸念される。そこで今回の研究では、 ①LBW児に発症する注意障害の病態解析を行い、一般のADHDとの違いを明らかにする ②LBW児に学校教員が児童の様子から注意障害と判断し、適切な学習支援が提供できるような『学童期LBW児の注意機能チェックリスト』を作成するためデータの蓄積を行う。
|
研究成果の概要 |
超早産児(VP)および超低出生体重児(VLBW)として出生したと注意欠陥多動性障害(ADHD)児の間でWISC-IV)のプロファイルを比較し、VLBW/VP児に特有の神経認知特性を特定した。 本研究のVLBW/VP群は、出生体重1,500g未満、妊娠32週未満の小学1~3年生50人(男19人、女31人)である。ADHD群は、小学1~3年生18名(男性13名、女性5名)を対象とした。WISC-IVのプロフィールをVLBW/VP群とADHD群で比較した。WISC-IVプロファイルは、グループ間で同様のパターンを示し、VLBW/VPグループはADHDグループよりもキャンセル課題のスコアが低かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADHDと低出生体重児として出生した児の認知機能の比較は報告がない。今回の検討では視覚性キャンセレーション課題である絵の抹消課題の評価点に差がみられ、ADHDの不注意症状と早産児・低出生体重児の不注意症状は認知的に異なることがわかった。早産児・低出生体重児は作業の遅さや視覚情報処理能力の低下が報告されており、絵の抹消課題の評価点に 低出生体重児の認知機能に低下が見られたことは矛盾しないと考えた。不注意症状は学校の成績や学習技能に影響が大きく、学習支援の方法を検討する上で、重要な結果が得られたと考えている。
|