研究課題/領域番号 |
19K23367
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
玉井 颯一 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 客員研究員 (00848517)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会的痛み / 身体的痛み / 類似性 / fMRI / MVPA / 排斥 / 心理的痛み / ネガティブ感情 |
研究開始時の研究の概要 |
集団から仲間はずれにされると人は胸を痛める。こうした「心の痛み」を感じた時、我々の脳は「体の痛み」を感じた時と同様の脳活動を示すとして、集団から仲間はずれにされた時の心理反応は、単なる表現上の喩えではなく、真に「痛み」であると考えられてきた。しかし、「心の痛み」と「体の痛み」の脳活動を比較した研究は少なく、両者の共通性を巡っては明確な結論が得られていない。そこで本研究では、2つの実験を通して、「心の痛み」と「体の痛み」の類似性・差異性を検討する。こうした試みは、集団から仲間はずれにされることで生じる心理反応は、真に「痛み」として知覚されるのかという依然として議論が続く問題への回答を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究は、集団から排斥された際に生じる心理プロセス(社会的痛み)と身体的な痛みを経験した際に生じる心理プロセスをMRIを使った研究によって検討することを目的とした。実験の結果、行動レベルでは身体的痛みを経験した際も集団から排斥された場合もネガティブな感情を報告する点では共通していたが、集団から排斥された際の脳活動は先行研究と一貫した活動を示さなかった。そこでデザインを修正した上で、再度実験を実施し、データの解析を継続している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、集団から排斥された際の心理反応と身体的痛みを経験した際の心理反応を比較し、両者の類似性を検討することを目的とした。集団からの排斥(仲間はずれ)は人々を孤独へと導く深刻な社会問題とされる。しかしながら、排斥それ自体を防止することは困難であるため、排斥された人がどのような心理状態に陥るかのか、その詳細を明らかにし、適切な介入方法を探ることが求められている。本研究成果の意義は、こうした介入方法を策定する上で有益な基礎的な知見をもたらした点にある。
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