研究課題/領域番号 |
19K23385
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 秀樹 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30849097)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 反すう / 注意の範囲 / 抑うつ / 認知行動療法 / 患者報告式アウトカム尺度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,注意の範囲に基づく反すうの持続過程を検討する。研究1では,反すうの構成要素である思考内容の感情価と思考時間を操作したうえで,反すうによる注意の範囲の差異を検討する。研究2では,ネガティブ気分を誘導した後に注意の範囲を操作することで,ネガティブ気分下での注意の範囲による反すうの差異を検討する。このことで,反すうによって注意の範囲が狭くなることでさらに反すうが維持されるいう双方向の因果関係が明らかになり,反すうの認知的情報処理に注意の範囲という新たな視点を提供することができると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究は大きく2つの研究で構成され,研究1ではネガティブな話題を長い時間考えることで注意の範囲が狭くなることが示された。研究2ではネガティブ気分を誘導した後に注意の範囲を狭める操作を行うことで反すうが悪化することが示された。 また,本研究を遂行するにあたり,患者報告式アウトカム尺度(PROM)の信頼性と妥当性およびPROM研究のバイアスのリスクを評価する必要性が考えられた。そのため,国際的なガイドラインであるCOSMINのリスクチェックリストの翻訳と,COSMINの方法論に基づくPROMの評価に関するレビュー論文を作成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から,反すうと認知的情報処理の1つである注意の範囲は双方向の因果関係が成立することで反すうが持続することが示唆された。これは,近年注目されている反すうの注意の範囲モデルを支持する知見であることから,このモデルの基礎的知見を提供した点でも意義があると考えられる。 また,患者報告式アウトカム尺度(PROM)のバイアスのリスクを評価するチェックリストの翻訳を現在進めており,また,COSMINの方法論に基づくPROMのレビュー論文を作成した。これにより,PROMの信頼性と妥当性について質の高い批判的吟味を行うことが可能になり,PROMを用いる研究全般の質の担保につながると考えられる。
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