研究課題/領域番号 |
19K23396
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 (2022) 東北大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
川崎 菜穂 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (40846854)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多重ゼータ値 / 多重ゼータスター値 / Bernoulli数 / Hyperlogarithm / 反復積分 / 多重ゼータ関数 / ベルヌーイ数 / 等号付き多重ゼータ値 / hyperlogarithm / 多重ポリログ / 多重ベルヌーイ数 / ベルヌーイ多項式 / 積分級数等式 |
研究開始時の研究の概要 |
多重ゼータ値のすべての有理数係数線形関係式を与えると予想されている五つの関係式族の相互関係の解明, および新たな関係式族の開拓が申請者の目標である. 多重ゼータ値はリーマンゼータ値を多重化したものの一つであり, hyperlogarithmは多重ゼータ値を特殊値にもつ多変数複素関数である. さらに, 一般複シャッフル関係式から, 多重ゼータ値の基本的かつ重要な関係式の一つである双対公式が導出されるかという未解決課題の解明にも取り組む. 一般複シャッフル関係式は多重ゼータ値の間に成り立つすべての関係式を生成すると予想されている重要な関係式で族の一つである.
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研究成果の概要 |
本研究では、荒川-金子型多重ゼータ関数とEuler-Zagier型多重ゼータ関数の関係に明示的な式を与え、さらに補題として、multi-polylog関数の関数関係式も与えた。そして、この明示公式の系として、荒川-金子型多重ゼータ関数の特殊値に対する反転公式も得られた。 金子-津村型ゼータ関数の正の整数点に関する和公式が予想されていた。本研究では、この予想に肯定的な証明を与えた。証明には、金子-津村型ゼータ関数の正の整数点での値が反転公式をもつことおよび多重ゼータスター値で表示できることを用いる。その他、本研究及びこれまでに得られた研究結果を紹介する講演発表を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
multi-polylog関数の関数関係式の証明には、2色半順序集合上の反復積分表示が鍵となったが、これは多重ゼータ値の研究で導入されたものである。すなわち、2色半順序集合上の反復積分表示が多重ゼータ関数の研究に役立ったことを表しており、今回の研究によってさらなる応用が期待できることとなった。 また、金子-津村型ゼータ関数の正の整数点に関する和公式は、金子-津村型ゼータ関数の多重化やその類似への応用も期待できると考えており、とても重要な結果だと言える。
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