研究課題/領域番号 |
19K23413
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 (2021-2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
宮崎 弘安 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 基礎数学研究P, 研究主任 (50799765)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | モジュラス付きモチーフ理論 / モチーフ / モジュラス / ホモトピー不変性 / ホッジコホモロジー / de Rham-Witt複体 / Nisnevich位相 / モチーフ理論 / 代数的サイクル / ニスネヴィッチ位相 |
研究開始時の研究の概要 |
数論幾何では代数方程式の解集合を素朴な例とする代数多様体の性質を研究する。複雑な関数を微分すると調べやすくなるように、複雑な幾何学的対象を調べるにはコホモロジーを考えることが有効である。代数多様体のコホモロジーには様々な種類があるが、モチーフはそれらを統制する親玉である。これまでのモチーフ理論は数論幾何に多くの応用をもたらしてきたが、ホモトピー不変性という強い仮定のため、代数多様体の数論的な情報を捉えられないという本質的な制約がある。本研究ではモチーフ理論を一般化することによってこの制約を克服し、数論的基本群や相対K群をはじめとする数論的な群をモチーフ理論によって統制することを目指す。
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研究成果の概要 |
整数論の研究の多くは、代数多様体という幾何的な対象の研究に置き換えることができる。代数多様体の情報は、コホモロジーを用いることで、線形代数的なデータとして取り出すことができる。着目する情報に応じて、多種多様なコホモロジーが存在するものの、それらはモチーフと呼ばれる普遍的な対象により統一的に制御されると考えられている。実際、ホモトピー不変なコホモロジーを制御するモチーフの理論は既に構築され、華々しい成果を生み出している。 本研究では、従来のモチーフ理論をさらに一般化することで、ホモトピー不変でないコホモロジーをも制御しうる一般理論を構築し、実際に新しく制御されるコホモロジーの例を構成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モチーフ理論は、代数多様体のコホモロジーの組織的な分類を行うための枠組みとみなせる。各々のコホモロジーは代数多様体の一つの側面を観測する数学的装置だが、モチーフ理論でそれらを統合することにより、代数多様体の全体像が捉えられる。従来のモチーフ理論はホモトピー不変性をみたすコホモロジーを捉えるが、裏を返せば、それ以外の情報を失うという問題を抱えていた。本研究で構築したモジュラス付きモチーフ理論は、ホモトピー不変でないコホモロジーも制御可能であり、従来理論よりも理想的なモチーフに近いものである。本理論を用いれば、従来のモチーフ理論では見出せなかった代数多様体の新たな性質を明らかにできると期待される。
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