研究課題/領域番号 |
19K23432
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
山口 瑛子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (80850990)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラジウム / 粘土鉱物 / EXAFS / 第一原理計算 / 水和構造 / バリウム / AIMD / X線吸収微細構造法 / EXAFS法 / 第一原理分子動力学 |
研究開始時の研究の概要 |
ラジウム (Ra) はウランやトリウムの壊変により生成する放射性核種であり、核廃棄物の処分等の問題から近年注目されているが、天然環境中でのRaの存在状態や移行プロセスは未解明である。本研究では、環境中での挙動を支配する反応として、粘土鉱物への吸着反応に着目した。粘土鉱物に対する吸着反応については、吸着時におけるイオンの吸着構造が重要であることが知られている。本研究では、放射光を用いた広域X線吸収微細構造法の実験と、スーパーコンピューターを用いた第一原理分子動力学法のシミュレーションを相補的に利用しRaの吸着構造を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ラジウム(Ra)は放射性元素であり、環境挙動の解明が急務である。しかしその取扱いの難しさから分光法の適用が難しく、分子レベルでの知見はほとんどない。本研究では、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法による粘土鉱物吸着Raの分子レベルでの測定を成功させ、この結果に基づいてシミュレーションも実施した。その結果、Raが特定の粘土鉱物に対して内圏錯体を形成し強く固定されることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究のEXAFS測定及びシミュレーションの結果により、Raイオンが粘土鉱物に対して脱水して吸着(内圏錯体を形成)し、強く固定されることが示された。この結果は、粘土鉱物が存在する環境(風化花崗岩層など)におけるRaの環境挙動の解明及び予測に重要である。それだけでなく、水中のRaイオンが粘土鉱物により除去できる可能性を示唆しており、Raの除去手法開発にも資する結果である。
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