研究課題/領域番号 |
19K23444
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 (2020) 長崎総合科学大学 (2019) |
研究代表者 |
八野 哲 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (20850720)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カイラル対称性 / クォーク ・グルーオン・プラズマ / QGP / 高エネルギー原子核衝突実験 / ALICE実験 / 高エネルギー原子核衝突 / クォーク・グルーオン・プラズマ / カイラル対象性 |
研究開始時の研究の概要 |
高温媒質内における低質量ベクトル中間子の質量測定は、「カイラル対称性の自発的破れによるハドロン質量の生成」の直接的検証になると期待される。しかし、信号対雑音比(S/N比)が小さいため、この検証は未だに成功していない。 本研究は、新型シリコン飛跡検出器(Muon Forward Tracker:MFT)をALICE検出器群に組み込むことで、μ粒子対質量分解能を向上させ、高温媒質内ベクトル中間子質量の高精度測定を実現する。質量分布の系統的測定から、理論的解釈の不定性を取り除き、カイラル対称性とハドロン質量の関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ハドロン質量とカイラル対称性を直接結びつける実験的証拠を得るために新規シリコンピクセル飛跡検出器(MFT検出器)を開発し、CERN-LHC ALICE実験検出器群に組み込む。MFT検出器と既存のALICEミュー粒子検出器(MUON検出器)を組み合わせることで、上記検証に感度のある低質量ベクトル中間子質量分布の高精度測定が実現する。MFT検出器のLHC-Run3(2022-)からの運転を目指し、本研究期間中に(1)MFT検出器の最終調整、(2)MFT検出器を用いた飛跡再構成アルゴリズムの開発、(3)実データを用いた既存のMUON検出器の性能評価を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はハドロン物理学の積年の課題である「物質の質量獲得機構の解明」に決着をつける。また、過去最高衝突エネルギーLHC加速器で高温媒質が生成する「物理的中央領域」がビーム軸方向に拡張し、低横運動量ミュー粒子の粒子識別が可能な「測定技術的前方領域」と重なる。本研究は、このLHC加速器が拓く「衝突点前方ミュー粒子を用いた中央物理の研究」という新たな探針を開拓する。高エネルギー重イオン衝突実験に新しい視点を与え、物質の創生機構、真空構造、初期宇宙の時空発展の理解を加速させる。
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