研究課題/領域番号 |
19K23454
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山上 晃央 筑波大学, 計算科学研究センター, 研究員 (30850135)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 北極大気 / 気象予測 / アンサンブル予報 / 中期予報 / 延長予報 / 予測可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の海氷減少に伴う、北極海航路や北極資源の利用などによって、北極域における正確な気象予測の社会的要請が高まっている。本研究では、世界各国の現業気象機関が日々行っているアンサンブル予報データ(TIGGE、S2Sデータ)を用いて、北極大気の予測可能性に影響をもたらす要因の解析を行い、北極大気の予測精度を向上させるために必要なプロセスについての手がかりを得ることを目的とする。その結果、北極域での大気-海洋-海氷相互作用についての理解を進めるとともに、北極域での人間活動をより安全に行えるようにすることを目指す。
|
研究成果の概要 |
現業中期アンサンブル予報を用いて、北極域における予測精度急低下について調べた。年間の発生率は2008年に最大で、その後減少し、2012年以降は同程度であった。また、発生率は夏季に高く、冬季に低かった。さらに、夏季の事例は、初期の循環パターンがグリーンランドブロッキングと北極低気圧の時に起こりやすかった。 また、現業延長アンサブル予報を用いて、北半球冬季の週平均大気変動の予測精度を調べた。北極域は2週間で予測精度が低下するが、北太平洋から北大西洋では4週間でも精度が高かった。延長予報の予測スキルの向上には、赤道大気の海洋への応答ではなく、中緯度の偏西風バイアスの修正が必要があることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北極海氷減少に伴う北極域の環境の変化は科学的に注目されている。また、北極海航路の活用などの観点から社会的にも注目されており、北極域における正確な気象予測の重要性が増している。 予測精度急低下の研究結果は、人間活動が活発となる夏季に急低下が起こりやすいことを示すと同時に、日々の天気予報の予測の精度が下がりやすいパターンを示した。これは予報利用者にパターンによる予測の信頼度の違いについて注意喚起を行う有益な情報となり得る。 また、延長予報は意思決定に利用されると考えられる。本研究の結果は、延長予報を有効に利用するためにはさらに精度を向上させる必要があり、それには偏西風の改善が必要であることを示唆した。
|