研究課題/領域番号 |
19K23514
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2020) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
田中 一 大阪大学, 工学研究科, 助教 (40853346)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 炭化ケイ素 / MOS界面 / 移動度 / シミュレーション / SiC / Hall移動度 / 散乱過程 / モンテカルロ法 |
研究開始時の研究の概要 |
炭化ケイ素(SiC)MOS界面には高密度の界面準位が存在するが、このような系におけるキャリア輸送を記述する物理モデルは確立されていない。本研究では、SiC MOS界面におけるキャリア輸送の理論を構築することを主目的とし、SiC MOS界面におけるキャリア散乱機構の理論的定式化およびキャリア輸送特性の計算を行う。計算結果と実験結果との系統的な比較を通じて、移動度などの物性値を予測可能な物理モデルを構築する。さらに、これに基づいてSiC MOSFETにおけるキャリア輸送シミュレーションを行い、デバイス特性を記述可能な理論を完成させること、およびその高性能化の指針を提示することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,SiC MOS反転層でのキャリア散乱モデルを構築し,可動電子のHall移動度の計算を行った.散乱過程のうち,電気的に中性な欠陥の空間的な分布についてのフィッティングを行い,実験的に報告されているSiC MOSFETにおけるHall移動度の振る舞いをある程度再現することに成功した.このモデルに基づき,ドリフト移動度やデバイスとしてのドレイン電流の特性を記述する実効移動度の検討も行った. また,上記に加え,バルクSiCの電子状態・三角ポテンシャルにおける2次元電子状態の,より高精度な解析を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築したキャリア散乱モデルにより,多数のフィッティングパラメータを含むという問題点はあるものの,実験で報告されているSiC MOS反転層における移動度の振る舞いを,ある程度よく再現することができた.本成果は,今後の移動度律速要因の解明や,移動度向上指針の提示の基礎となる.また,電子状態のより高精度な記述は,MOS反転層の移動度モデルの高精度化につながるものである.
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