研究課題/領域番号 |
19K23518
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
齋藤 渉 (羽田野渉) 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10741770)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パワーデバイス / パワーMOSFET / オン抵抗 / 制御 / パワーMOSFET / スイッチング制御 / 低耐圧 / 低損失 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化対策として進められている自動車の電動化において、電費向上にはバッテリーからの電力を変換する回路を構成するパワーMOSFETの低損失化は必須である。応募者はパワーMOSFETの損失低減のトレンドと理論限界を導出し、その限界が間近に迫っていることを明らかにした。本研究では、新規素子構造と制御技術を高度融合したデバイス設計手法を提案することで、従来の理論限界を超えた低損失な低耐圧パワーMOSFETの実現を目指す。具体的には、ゲート構造の加工技術だけでなく新規制御技術も含むデバイスシミュレーションにより、損失を最小化させる最適化設計を見出すとともに、見出した最適設計の理論限界を明確化する。
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研究成果の概要 |
パワーMOSFETの理論限界を下回る低損失を実現する手段として、補助チャネルと蓄積層を追加したアシストゲート(AG)構造とその制御技術の組み合わせを採用した低耐圧パワーMOSFETを提案した。構造設計と制御設計を行い、AG構造の理論限界を導出した。 令和元年度の実績は、理論限界を下回るオン抵抗が得られることを明らかにした。令和二年度の実績は、理論限界よりターンオフ損失が10%、ターンオン損失が27%低減できることを明らかにした。以上の結果からアシストゲート(AG)構造とその制御技術の組み合わせを採用した低耐圧パワーMOSFET理論限界を下回る低損失を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、加工技術による低損失化の理論限界を打破できるのかという学術的な問いに対して、新規デバイスアシストゲート(AG)構造とその制御技術の組み合わせというパラダイムシフトによって、従来の加工技術で決まる理論限界を超えた低損失動作を実現できることを実証し、解となる新たな一つの方向性を示した点にある。 そして、本研究成果の社会的意義は、バッテリーからの電力を変換する回路を構成するパワーMOSFETの低損失化が自動車の電動化における電費向上につながり、地球温暖化対策に貢献するものである。
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