研究課題/領域番号 |
19K23532
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 気象庁気象研究所 (2022) 東京工業大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
瀬戸 里枝 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 研究官 (70799436)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 衛星マイクロ波リモートセンシング / 雲水量推定手法 / 陸域雲水量推定 / 衛星マイクロ波観測 / データ同化 / 陸域 / 雲水量 / 雲データ / 陸域雲水量データ / 衛星マイクロ波 / アジア域 / 陸域雲データ / 高空間解像度 / 高精度 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動やそれに伴って増加する極端現象に対する雲の影響の不確実性は、予測の信頼性向上の最大の障壁である。しかし“雲の理解が進まず、高精度な雲のデータが得られない。データがないため理解が進まない。”という悪循環に陥っているのが現状である。 本研究では昨今、その重要性が改めて指摘されている雲の水分量を主な対象として、これまで困難とされてきた、衛星観測による陸域雲水量の推定とそのモデルへの同化を適切に行う手法を構築する。これにより、時々刻々と変わる雲の分布を(高い時間解像度で)、数㎞ごとに(高い空間解像度で)、現実的に(高精度に)表現する雲データを世界に先駆けて創出する。
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研究成果の概要 |
陸域雲水量の推定とデータ創出を行うことを目的とした大気陸面結合データ同化システムを開発し、高度化・適用範囲の拡張を行った。高度化と適用範囲の拡張においては、システムの妥当性および陸面表現精度の条件の検討を、地上マイクロ波放射計を用いた観測実験によって行った。具体的には、雲水量を適切に推定するために必要なマイクロ波の陸面輝度温度の再現精度と、その許容誤差が土壌水分にしてどの程度となるかを、異なるマイクロ波の波長(36と89GHz)に対して明らかにした。更に、複数周波数の活用によって固相雲水量の影響による誤差を低減して、雲水量のより詳細な推定を行う手法を開発し、雲データの質を向上することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発された雲水量推定手法は、陸域の雲水量の妥当な推定を可能にし、これまで世界的にも限られていた陸域の雲データを創出可能とするものである。これにより得られた陸域の雲データは、降水予測や洪水予測の初期値および予測精度の改善に寄与する。 また、地上観測により、高周波マイクロ波衛星観測を用いた場合は、厚い雲が存在すると、陸域の射出率のばらつきの影響が下向き放射の反射により相殺されることが明らかとなった。この知見は、本システムの広域適用のための基礎情報となるだけでなく、他の衛星マイクロ波による雲水量推定手法を陸域に用いるためにも、広く活用され得るものである。
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