研究課題/領域番号 |
19K23535
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮崎 祐輔 京都大学, 工学研究科, 助教 (10847320)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遠心模型実験 / 補強材の引抜き試験 / 壁面土圧 / 補強材周りの土圧 / 降下床装置 / 帯鋼補強土壁 / 静的載荷試験 / 補強材 / 壁面構造 / 引抜き抵抗力 / 土圧 |
研究開始時の研究の概要 |
補強土壁工法は,盛土内に敷設した補強材の引抜き抵抗力と壁面材に作用する土圧のつり 合いにより,鉛直に近い壁面を有する盛土を構築する.一般に壁面材には,省力化を考慮して多分割型の工場生産式コンクリートを採用する.しかし,全体が柔に変形する多分割型壁面に作用する土圧は,剛体壁面に基づく現在の土圧理論では説明できない.さらに,補強材により地盤内のひずみ変化が複雑になるため,壁面土圧を正確に評価することがより困難になる.これは,柔な壁面構造と補強材により複雑化する水平土圧と補強材抵抗力のバランスが計測的に解明できていないためである.そこで,本研究は水平土圧の問題を鉛直土圧の問題に置換して解決する.
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研究成果の概要 |
多分割壁面を有する補強土壁の一要素に着目して,その引き抜き過程における壁面土圧について,計測困難な水平土圧ではなく鉛直土圧の問題に置換して解明することを目的とした.本研究は遠心力載荷装置を用いた模型実験により実施し,降下床上に乾燥豊浦砂で作製された模型地盤を作製し,さらに,降下床に補強材を敷設した.降下過程における降下床の鉛直土圧分布を調べた結果,補強材が敷設された場合,降下過程において,補強材を敷設しない場合と比べて地盤内のゆるみ領域の進展を抑制し,ある引き抜き変位量までは,降下床に一定の鉛直土圧を伝達しつづけることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,補強土壁を構成する補強材および壁面材の一要素に対して,壁面材の引き抜き変位量に応じて作用する壁面土圧分布の変化を捉えたことにある.本実験結果は,多分割壁面を有する補強土壁全体系の壁面土圧について,変位レベルに応じた土圧分布を解明する一助となる.また本実験成果は,経験的に設計された既設構造物の変形性状から構造物の力学的な健全度を評価する際,壁面材の引き抜き変位量に応じて,補強材が設計時点で期待した力学的役割を発揮しているか否かを判断する際に役立てる可能性がある.
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