研究課題/領域番号 |
19K23612
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
澤畑 博人 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (40571774)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ブレインマシンインタフェース / 運動機能障碍 / 体性感覚 / 脳波 / 事象関連電位 / ロボット制御 |
研究開始時の研究の概要 |
身体運動機能に重篤な障がいを持つ患者のための補助装置として、脳活動信号に基づいて外部機器を制御するブレインマシンインタフェース(BMI)の技術開発が期待されている。本研究課題では、運動関連ではなく皮膚感覚に関連する脳波信号を利用してロボット運動制御を行う新しい原理を用い、麻痺部位の運動を補助するロボットグローブなどを制御することで運動機能の代替が可能なBMI実現を目指す。
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研究成果の概要 |
重篤な運動機能障碍を持つ患者を支援するための技術として、脳波に含まれる皮膚感覚性の事象関連電位に基づいてロボットを制御するブレインマシンインタフェースを提案している。被験者9名を対象とした実験で、手指に感覚刺激を加えた際に後頭部から得られる脳波応答の15-120 Hz信号成分を判別指標として用いると、サポートベクタマシン法を用いて指に対する意識的注意の有無を正答率83%で判別可能であることを明らかにし、仮想空間のロボットハンドを制御することにも成功した。また、患者の麻痺手指を能動的に動かすロボットグローブの製作も行った。以上、提案手法を用いたブレインマシンインタフェースの有効性が実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロボットの手指を個々に制御可能なブレインマシンインタフェースはこれまで、侵襲的な脳計測法を用いて得たスパイク信号や局所フィールド電位信号を用いた方法で実現されており、患者の負担が少ない非侵襲的に計測される脳波を用いて実現することは従来困難であったが、本研究では運動性ではなく感覚性の脳波信号を利用することで実現できることを実証した点において学術的意義がある。また、ロボットのみならずPC上のさまざまなアプリケーションを制御可能であることも実験で確かめられた。将来、全身麻痺の患者が自分の意思で多様な機器を操作し自律的な生活を送れる可能性があり、福祉分野に大きく貢献できる可能性がある。
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