研究課題/領域番号 |
19K23623
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山科 雅裕 東京工業大学, 理学院, 助教 (80847153)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 分子内包 / 湾曲したπ共役系 / ホスト-ゲスト / ケージ分子 / 湾曲したパイ共役系 / ホストーゲスト / パイ共役系 / ホストゲスト / 超分子化学 / 自己集合 / アントラセン / 蛍光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では新規蛍光材料の開発を目指し、アントラセン環のπ共役系をジインとベンゼン環で拡張・湾曲させた、新規ボウル状ホスト分子の合成と機能開拓を実施する。当該ホスト分子はアントラセンに基づく特異蛍光性に加え、お椀状な内部空間への高い分子内包能が期待できる。また、疎水性のボウル状分子の末端に親水基を導入することで、水中で両親媒性分子として振る舞うことも見込まれる。本研究ではまず①湾曲したπ共役面を有するボウル状ホスト分子の合成を行う。次に②ゲスト包接と包摂錯体の蛍光特性評価を行い、最後に③自己集合を利用した高次な集合体形成と蛍光性制御を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、湾曲可能な反芳香族分子であるノルコロールに着目し、これに化学修飾を施すことで、反芳香族分子で構成された分子ケージを世界で初めて合成した。X線結晶構造解析より、本来平面であるパネル分子は、大きく湾曲した構造を取っていた。理論計算から、分子ケージを構成する反芳香族分子の寄与によって、内部空間が強い反遮蔽空間になっていることが判明した。さらに、内部空間にゲスト分子を内包すると、内包された分子の核磁気共鳴(NMR)シグナルが顕著に低磁場シフトしたことから、分子間での反遮蔽効果を実験的に証明することにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、湾曲した反芳香族分子と自己集合の手法を利用することで、これまで確認されたことのない「反芳香族壁のナノ空間」を有する分子ケージを構築し、その性質を明らかにすることに成功した。これらの成果は、新しいタイプの分子ケージのコンセプトを提案するだけではなく、反芳香族分子との相互作用など、未解明の部分が多い反芳香族分子の性質を解き明かす重要な手段の一つになることが期待される。
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