研究課題/領域番号 |
19K23624
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
平田 圭祐 東京工業大学, 理学院, 助教 (80845777)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イオン選択性 / バリノマイシン / 赤外分光法 / 冷却イオントラップ分光法 / 気相分光法 / 水和効果 / 赤外分光 / エレクトロスプレーイオン化 / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
親水-疎水界面でカリウムイオンのみを選択的に内包する生体分子であるバリノマイシンのK選択性の起源を水和効果の観点から明らかにする。溶液中での分光測定では困難であった親水-疎水界面のモデル化を実現するため、バリノマイシン-金属イオンの錯合体を気相(疎水環境)中に取り出し水分子を段階的に付加する。赤外分光法を用いて錯合体の水和構造を決定し、K選択性の原理に水和の微視的な構造論から迫る。
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研究成果の概要 |
本研究では、バリノマイシンのカリウムイオン選択性の起源を明らかにするために、バリノマイシンー金属錯体とその水和クラスターの構造を気相赤外分光法により調べた。その結果、親和性が高いカリウムとの錯体では対称性の高いコンフォメーションが水和されても維持されるのに対して、親和性の低いナトリウムでは水分子が一つ付加しただけで対称性が崩れ構造が歪むことがわかった。このことから、バリノマイシンのみならず、他のイオン選択性を示す他の分子においても水和効果が重要な因子であることを強く示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,水和効果が分子のイオン選択性に大きな影響を及ぼしていることが示された。これは気相環境下で分子の組成・水分子の個数を精密に規定したことにより初めて示されたものであり、気相赤外分光法の威力を物語っている。精密な分光測定に裏打ちされたイオン選択性の構造論を展開した本研究は、イオン選択性を示す多様な分子の原理を解明するだけでなく、イオン選択性分子の創出にも寄与するものと考えられ、イオン分離や創薬にも展開されることが期待される。
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