研究課題/領域番号 |
19K23635
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
相賀 則宏 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 助教 (50847085)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / 局在表面プラズモン / 発光分光 / ペンタセン誘導体 / 発光 / 単一分子分光 / プラズモン / 非線形分光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、極短パルスレーザーと極低温・超高真空走査型トンネル顕微鏡(STM)を融合することにより、高い空間分解能で単一分子レベルの非線形分光への途を拓く。具体的には、金属基板に吸着させた試料分子にSTMの探針を接近させ、そのトンネル接合領域に外部から時間幅10フェムト秒以下の極短パルス光を導入すると、金属探針の局在プラズモン共鳴によりその近傍では局所的に光電場が大きく増強される。この原理により実質的に探針直下の単一分子からの分光信号を観測し、各分子ごとの物理的・化学的特性を調べる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、単一分子からの分光信号を高い空間分解能で得るために、走査型トンネル顕微鏡(STM)の探針直下に生じる局在表面プラズモンを利用した分光測定系を構築し、ペンタセン誘導体分子を対象にトンネル電流誘起発光分光を行った。 銀(111)単結晶基板上に、TIPS-ペンタセンの分子膜を蒸着し、STMのトンネル電流に誘起された発光スペクトルを測定した。TIPS-ペンタセン分子の蛍光に相当する波長領域に発光を観測した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、トンネル電流誘起発光分光により、ペンタセン誘導体分子膜からの発光スペクトルを観測することに成功した。本研究の成果は、単一分子レベルでの分光情報を得るためにはSTM探針直下に生じる局在表面プラズモンを利用することが有効であることを意味している。この手法により、個々の分子の構造と分子の物理的・化学的特性や振舞いとの間の関係性を単一分子レベルで明らかにすることにつながると期待される。
|