研究課題/領域番号 |
19K23677
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西 大海 九州大学, 農学研究院, 助教 (30747879)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 昆虫寄生菌 / 微生物的防除 / 土壌定着能力 / 紫外線耐性 / 高温耐性 / 土壌静菌作用 / アザミウマ / ストレス耐性 / 土壌定着性 / 土壌害虫 / 生物的防除 / 高温 / 日照 / 病原力 / 定着力 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌中には多くの昆虫寄生菌が生息しており、その一部は土壌生息害虫の防除に利用されている。しかし、土壌環境おける物理的環境ストレスや微生物相が昆虫寄生菌の定着や感染におよぼす影響に関する基礎的知見が乏しく、現行の防除法には改良の余地がある。 本研究では、重要害虫であるアザミウマ類を対象とし、蛹期アザミウマの生息する土壌環境中における昆虫寄生菌の定着性と病原性に対する、物理的ストレス(紫外線および高温ストレス、潅水による沈降)および共存する土壌細菌の影響を明らかにする。さらに、これらの影響に関する菌株間差異を明らかにし、土壌生息害虫に対する高い防除効果に求められる菌株特性を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
昆虫寄生菌Metarhizium属の SMZ2000株が、土壌導入によるミカンキイロアザミウマに対する防除効果と土壌表層での定着能力において、Beauveria属のGHA株を含め他の供試菌株よりも高いことを明らかにした。これらの能力に関係し得る生理学的特性を評価した結果、SMZ2000株はGHA株と比較して、高温・紫外線ストレス耐性は同定度であったが、蛹に対する病原力は高く、土壌静菌作用下での発芽能力は低いことが明らかとなった。また病原性に関して、第1蛹よりも第2蛹の方が感受性が高く、蛹接種により羽形成異常が生じることも明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昆虫寄生菌を土壌生息害虫の防除に効果的に利用するためには、土壌環境が昆虫寄生菌の生残や感染に及ぼす影響の理解が重要である。本研究では施設栽培作物の重要害虫であり蛹期を土壌表層で生活するミカンキイロアザミウマを対象として、土壌環境の昆虫寄生菌への影響を評価し、土壌中での発芽能力が低い菌株でも高い防除効果と土壌定着能力を示し得ることを明らかにした。また、アザミウマ蛹に対する病原性に関して、第1蛹よりも第2蛹の方が感受性が高いことや、蛹期の感染により羽化成虫において翅形成異常が生じるなど新規の重要な知見が得られた。本成果は昆虫寄生菌の土壌導入による効果的なアザミウマ防除法の開発に資する。
|