研究課題/領域番号 |
19K23699
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
向井 章恵 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (90414458)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 点滴灌漑 / 果樹栽培 / 水田用水利用 / 目詰まり / 藻類 / 土砂 / 点滴かんがい / 目詰まり対策 / 藻類・付着生物 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、高品質な果樹栽培を行う上で必須となっている点滴かんがいは、根域に不透水性のシートを張って雨水を排除しながら厳密に行われている。点滴かんがいに利用する水量は水田に匹敵するほど大量であるにもかかわらず、農家の多くは水源の確保に苦労している。 本研究では、厳密にコントロールされた点滴かんがいにおいて、ボトルネックとなっている「水源の確保」の解決に資するため、水田用水を果樹に供給することを想定し、技術上の課題となる点滴かんがい施設の目詰まりのうち、「藻類・付着生物等の生物的な目詰まり」のプロセスを分析し、対策方法を検討する。
|
研究成果の概要 |
高品質な果樹栽培法の一つである根圏制御栽培は,雨水を排除して点滴灌漑を行うため,日灌水量が約6m3/10aと大量であり,水田用水の利用が有効である.本課題では,水田用水に含まれる藻類と土砂が引き起こすフィルタ等の目詰まりの進行を分析した. 多くの灌水量が必要な7~8月は,藻類と土砂が増加する時期に相当し,その動態はChl-a濃度及び濁度のみに表れ,現行の目詰まりの評価方法であるフィルタ出口の水圧低下に表れなかった.そのため,灌水停止に至る目詰まりは,突発的な水圧低下として表れ,事前のフィルタ清掃は不可能であった.したがって,目詰まりの評価方法として,Chl-a濃度及び濁度の計測が推奨される.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
目詰まり進行の正確なモニタリングにより,収量低下に直結する潅水停止を未然に防ぐことが可能となり,高品質な果樹栽培における水田用水の利用を促進できる.これにより,水源を地下水に頼らざるを得なかった果樹農家は,井戸掘削等にかかる非常に高額な費用を抑えることが可能となる.また,水田農業の高収益化施策に基づき,水田での果樹栽培を推進する国及び地方公共団体等に対して,有益な情報を与えることができる.
|