研究課題/領域番号 |
19K23714
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 理紗 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任研究員 (10845291)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クロマチン / 非コードRNA / 転写制御 / ヌクレオソーム / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物のゲノムDNAは、ヌクレオソームを基本構造単位としたクロマチンを形成して核内に収納されている。クロマチン上の遺伝子発現制御において、タンパク質に翻訳されずに機能する非コードRNAの関与が報告されている。しかし、その詳細な機構には不明な点が多い。本研究では、遺伝子発現の活性化に寄与する非コードRNAの機能の解明を目的とし、非コードRNAによるクロマチンおよびヌクレオソームの構造変化に着目した。そこで、試験管内で調製したヌクレオソームと非コードRNAを用いて、転写活性化において非コードRNAが引き起こすヌクレオソーム構造変化を、構造生物学的手法および生化学的手法を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
真核生物のゲノムDNAはクロマチン構造を形成して核内に収納されている。本研究では、非コードRNAがクロマチン上の転写を制御する機構の解明を目的とした。そこで、非コードRNAが引き起こすヌクレオソーム構造の変化および非コードRNAによるRNAポリメラーゼIIの転写活性への影響を構造生物学的および生化学的解析を行った。その結果として、非コードRNAがヌクレオソームの安定性を変化させることを明らかにした。また、非コードRNAがヌクレオソーム上での転写活性や転写中のヌクレオソーム構造に影響を及ぼす可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非コードRNAは発生や疾患と関連して、クロマチン上での遺伝子発現制御に寄与する。これまでクロマチン制御因子を介さない非コードRNAの機能には焦点が当てられていなかった。その新たな観点からクロマチンに対する非コードRNAの影響を解明する本研究は、非コードRNAの機能に関する新規知見を提供する。本研究では、試験管内で非コードRNAとヌクレオソームのみが存在する環境を作り出すことで、RNAのクロマチンへの直接的な作用とその作用機序の原子レベルでの検証が可能となった。非コードRNAは、疾患に関連した重要な治療標的として着目されており、その機能の理解は治療法の開発に繋がると期待される。
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