研究課題/領域番号 |
19K23715
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
都筑 正行 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (40845616)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 転写サイレンシング / DNAメチル化 / クロマチン / RNAポリメラーゼ / RNAサイレンシング / 転写 / 植物 / 転写制御 |
研究開始時の研究の概要 |
植物に特異的なRNAポリメラーゼV(Pol V)のゲノム領域に応じた転写の変化に着目し、ゲノムの安定性を高めるためのノンコーディングRNAの転写メカニズムとその機能を解析する。申請者がこれまでに行なった解析から、従来の標的領域以外に、ゲノムワイドな微量の転写が起きていることが示唆された。そこで本研究では、これまで研究されてきたDNAメチル化を維持するための転写と、ゲノムワイドな微量な転写の違いを決定づける因子を同定し、ゲノムワイドな転写のメカニズムと機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
トランスポゾン等の抑制にはたらく植物特異的なRNAポリメラーゼV(Pol V)のゲノムワイドな転写のメカニズムと役割を明らかにすべく研究を行った。転写物の網羅的同定およびゲノミクス解析からゲノムワイドな転写はDNAメチル化や小分子RNAの蓄積を伴わなかった。またDNAメチル化変異体におけるPol Vの転写動態から、Pol Vの転写とDNAメチル化の間に正のフィードバックが存在することを示唆された。これらの結果は、Pol Vのゲノムワイドな転写は通常抑制される領域からの転写が起きた際に備えてあらかじめ起きていること、新規DNAメチル化が小分子RNAの蓄積依存的に起きることを示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、植物の新規DNAメチル化機構についての大きな疑問点の1つである開始時のメカニズムについての新たな知見をもたらすものであり、当該分野において学術的に新規性の高い内容であると考える。また近年の網羅的なゲノミクス解析により、トランスポゾンの転移やDNAメチル化の多型が農作物の形質に影響を与えている例が数多く報告されていることから、DNAメチル化機構の解明は社会的にも重要性を備える。本研究ではこのDNAメチル化機構の解明の一端を成しており、農作物の品種改良等の応用面に向けた研究としても重要な成果を得たと考えている。
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