研究課題/領域番号 |
19K23739
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
鈴木 匠 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 助教 (30623764)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DamID / ショウジョウバエ / 神経幹細胞 / 視覚中枢 / 脳 |
研究開始時の研究の概要 |
脳神経系が正常に機能するには、適切な種類の神経が必要な数だけ生み出され、正しい相手と結合することが必要不可欠である。しかし、それらの驚くほど多種多様な神経が神経幹細胞から生み出される分子機構は未解明のままである。神経幹細胞では、Temporal Factor(TFs)と呼ばれる一連の転写因子群が特定の順序で発現し、生み出される神経のタイプを規定するが、TFsがどのようにして細胞の運命を決定しているのかは全くわかっていない。本研究では、TFsのゲノムワイドなDNA結合パターンを解析することにより、それぞれの転写因子の下流遺伝子を同定し、神経幹細胞の内的な変化の実態とその生物学的意義を解明する。
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研究成果の概要 |
神経幹細胞から生み出された多様な神経が、正しい場所に移動し、最適な相手と結合することで正確な神経回路が構築される。神経幹細胞では、Temporal Factors(TFs)という転写因子群が特定の順序で発現することで、多様な神経を作り分けているが、TFsの下流でどのような遺伝子が制御され細胞運命を決定しているのかはわかっていない。そこで、TFsによって制御される遺伝子を探索したところ、TFsの一種であるSlpによってDanと呼ばれる遺伝子が制御されている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で行ったTFsのゲノムワイドなDNA結合パターン解析によって、TFsのひとつであるSlpの下流で働く遺伝子候補としてDanを同定した。これまで、それぞれのTFsの下流で機能する遺伝子は同定されていないため、Danの同定によって、神経幹細胞が多種多様な神経を生み出す分子機構の解明への糸口が得られた。ショウジョウバエの脳神経系は哺乳類の脳神経系と構造的・発生学的な特徴を共有するため、哺乳類大脳においても類似したメカニズムで神経の産生を制御している可能性が高い。このように、本研究で得られた成果は、動物界に共通した神経運命決定メカニズムの解明に貢献するものと考えられる。
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