研究課題/領域番号 |
19K23761
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
加藤 孝信 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (80844935)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 左右体軸形成 / ノード不動繊毛 / 光ピンセット / メカノセンサー / カルシウムイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
心臓が左にあるといった私たちの体の右と左の違いはどのように生まれるのだろうか。これまでの研究から、その始まりはお母さんのおなかの中、マウスでは受精後7.5日目に決まることが知られている。しかし、その仕組みにはまだよくわかっていない。本研究では、細胞から突き出た "ノード不動繊毛" というアンテナが、ノード流という流れの "物理的な力" を感知しているという仮説を検証する。2018年にノーベル物理学賞を受賞した光ピンセットという技術を用いて、ノード不動繊毛を顕微鏡下で "つまむ" ことにより物理的な力を与え、反応するかどうかを直接測定する試みである。
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研究成果の概要 |
哺乳類において心臓が左側に位置するといった「体の左側と右側の違い」は、発生の初期段階で決まる。これまでの研究から、初期胚に一過的に現れる “ノード” という部位に存在する、「ノード不動繊毛」という細胞小器官からのシグナルが左右軸を決定する最初のステップであることが解っている。しかし、ノード不動繊毛が「物理的な刺激」を感知しているメカノセンサーなのか、それとも「化学的な刺激」を感知しているケモセンサーなのかはよくわかっていなかった。本研究では、光ピンセット技術とカルシウムイメージング技術を駆使することによって、ノード不動繊毛がメカノセンサーとしてはたらいていることを強く示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、ノード不動繊毛において変形による化学状態変化を明確に示した研究は報告されていない。本研究による成果は、十年来にわたる “ノード不動繊毛はメカノセンサーであるか否か” という論争に決着をつける重要な報告である。特に、ノード不動繊毛の異常は繊毛病と総称される病態の原因となっており、本研究で得られた知見は医学的・社会的に非常に意義があるものである。さらに、本研究で開発した顕微鏡技術はノード不動繊毛だけにとどまらず様々なサンプルに適用可能である。
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