研究課題/領域番号 |
19K23781
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
伊藤 悠城 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (90766619)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光遺伝学 / 膀胱機能 / 排尿 / 蓄尿 / バリントン核 / マウス / 下部尿路機能 / 下部尿路機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
尿の排出が不十分となる尿排出機能障害に対しては確立された治療方法がなく、慢性尿閉といった重篤な尿排出機能障害には、カテーテルによる膀胱内尿の体外排出が未だに実臨床で行い得る唯一の治療方法となっている。尿排出機能障害に対する有効な薬剤などが皆無である理由として、尿排出における生理的中枢神経活動が未解明であることが挙げられる。これまで、脳幹橋部バリントン核が排尿をコントロールしてるとされてきたが、その詳細な制御機構は不明である。今回、選択的神経細胞操作を可能とする光遺伝学を応用して、この脳幹橋部バリントン核の機能解析を行い、尿排出機能障害の新たな治療標的としての可能性を見出したいと考えている。
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研究成果の概要 |
我々は、マウスの脳内の神経活動を測定し、排尿(尿の排出)に関わることが知られている脳幹内のバリントン核という神経核がどのようにマウス排尿を制御しているかを調べました。その結果、バリントン核は排尿を制御するだけではなく、畜尿(尿をためる)をもコントロールしていることが判明いたしました。おしっこの障害は排尿障害と畜尿障害に大別されますが、この両方の病態においてバリントン核の障害が寄与している可能性が示唆されました。今後病態におけるバリントン核の機能障害について研究を進めてまいります。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究で排尿におけるバリントン核の神経活動動態が明らかになりました。バリントン核が尿排出および畜尿をも制御しており、かつバリントン核の神経活動自体は、それよりもさらに上位の中枢神経(ほかの脳の部位)よりコントロールされている可能性が示唆されました。今後、これらの排尿における神経ネットワークの詳細が明らかになることで、全国で多くの方々を悩ましているおしっこトラブルを治療する新しい治療薬の創薬もしくは新しい概念の新規治療方法構築につながるものと考えております。
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