研究課題/領域番号 |
19K23792
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長澤 翔太 東北大学, 薬学研究科, 助教 (50846425)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | キュバン / CーH官能基化 / 創薬化学 / C-H官能基化 / 生物学的等価体 / hydrogen atom transfer |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品の構造単位として頻出するベンゼン環単位の生物学的等価体として知られる多環式炭化水素であるキュバンの自在な官能基化を可能にする方法論を開発する.キュバンの官能基化法としてほぼ未開拓であるラジカル的手法の適用を検討し,キュビルラジカルの効率的生成法,ならびにその反応性の制御方法を実験化学的に探索する.本研究により,既存の医薬品候補分子の設計戦略の抱える問題点を解決する building block としての,キュバンの応用可能性を開拓する基礎を築く.
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研究成果の概要 |
当初の研究実施計画に記した方策であるラジカル的C-H官能基化については,所望の反応を進行させる適切な配向基ならびに条件を見つけ出すことができなかった.一方で,配向基を用いた遷移金属触媒による炭素-水素結合の官能基化反応をキュバンの官能基化に応用することで,アセトキシ基をキュバンに導入することに成功した.さらに,導入したアセトキシ基を足掛かりとして,医薬分子として重要な芳香環を含む骨格のキュバンアナログへの変換も達成した.以上の結果について,現在論文を執筆している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機化合物に遍在するC-H結合を直接変換する手法は世界中の研究者が鎬を削って研究を行っている分野であるが,キュバンのような「特殊系」における方法論はほとんど研究されておらず,特にC-H結合活性化を経るものは皆無である.この結果は,有機合成化学的に挑戦的とされる分子変換を,これまでとは異なるアプローチで達成したという学術的意義に加えて,未開拓ケミカルスペースへのアクセスを可能にし,これまで考えられなかった分子設計による新たな機能性分子・医薬品の創生を促しうるという社会的意義を有する.
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