研究課題/領域番号 |
19K23835
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
安藤 康史 日本医科大学, 先端医学研究所, 講師 (10736010)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ペリサイト / Kcnj8 / Abcc9 / K-ATPチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、毛細血管支持細胞であるペリサイト特異的に発現することを見出したKCNJ8およびABCC9複合体から為るATP依存性カリウムチャネルの心臓における機能解析を実施する。特に『ペリサイトにおけるATP依存性カリウムチャネルの機能異常が心疾患を誘発する』という仮説を検証することにより、ペリサイトによる心機能調節機構の分子基盤を明らかにし、疾患の発症機構の解明と治療法開発を目指した研究に挑む。
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研究成果の概要 |
発生初期からABCC9/KCNJ8の発現に伴いK-ATPチャネルが機能し、その阻害は細胞内Ca2+上昇へと変換される一方、定常時にはK-ATPチャネルの一過的な活性化ではCa2+変化をほとんど引き起こさないことが分かった。構築した実験モデルを利用し、ペリサイト内Ca2+変動と心疾患の連関を解析することで、Kcnj8遺伝子変異性心疾患の分子基盤を紐解く基盤を形成出来た。一方、発生初期のマウス心臓ではKcnj8は心外膜細胞にも発現することを見出し、当初予想していた周皮細胞異常が心疾患を惹起するという仮説以外の新たな機序の可能性を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心疾患は死因の主要な原因であることから、心臓におけるペリサイト機能解析は学術的側面に加え、臨床面でも重要な課題の一つであると言える。ペリサイト特異的ATP依存性カリウムチャネル異常が心疾患を誘発するメカニズムは十分には分かっておらず、本研究によりKcnj8遺伝子の発現変化とペリサイトにおけるK-ATPチャネルと細胞内Ca2+濃度の連関を明らかに出来たことは、今後の詳細なK-ATPチャネルの役割およびその異常により誘発される心疾患の発症機構の理解に貢献するものと考えられる。
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