研究課題/領域番号 |
19K23838
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩村 千秋 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (10513062)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 免疫記憶 / 慢性炎症 / 組織常在性記憶T細胞 / CD69 / アレルギー性気道炎症 / 気道炎症 / 組織常在性T細胞 / iBALT / Myl9 |
研究開始時の研究の概要 |
組織常在性記憶T細胞 (TRM) が炎症組織に残留する機序とその意義、また慢性炎症との関連を解明することを目的とし、慢性型喘息モデルマウスを用いて、CD69がTRMを抗原特異的に末梢組織に誘導し、炎症の収束後以降も局所に留めまる接着分子として機能するか検証する。またCD69のリガンドであるMyl9分子の炎症前後の組織発現を確認し、TRMとの相互作用に貢献しているか解析する。本研究により、CD69を介するTRMの免疫記憶制御機序の一端が明らかになれば、難治性喘息治療の気道・肺炎症のみならず、その他慢性アレルギー病態を抑制する重要な標的因子となりうる。
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研究成果の概要 |
本研究では白血球の活性化マーカーとして知られているCD69分子が機能分子として働き、組織常在性T細胞(TRM)の特性を規定するものであることを明らかにした。CD69欠損マウスやパラバイオーシスを用いた実験から組織常在性Tの形成・維持にCD69が必要であり、それは組織に留まるための接着分子のようなものではないかと推察される。またCD69陽性TRMが組織から移出するためのS1p1シグナルへの感受性の低下も確認された。肺内でのCD69リガンドは現在のところ不明であり、さらなる解析が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症収束後に組織に滞在し続ける組織常在型T細胞は、局所への抗原侵入に対して第1線の反応部隊である。感染症やワクチン開発などを考えた場合はこの集団を如何に形成するかが感染防御の鍵になる。逆に自己免疫疾患やアレルギー疾患など慢性炎症反応では、病態が継続してしまう病因細胞となる為、如何にこれらの形成を抑制するかが治療において重要になってくる。本研究ではこうしたTRMの形成や維持について明らかにするものであり、現在難治性と考えられる疾患群について新たな病態解明と治療基盤構築のシーズを生み出すものである。
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