研究課題/領域番号 |
19K23871
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
井上 彰子 東邦大学, 医学部, 助教 (40770475)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シェーグレン症候群 / 自己抗体 / シェ―グレン症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者が所属する研究室では、T細胞の染色体構造調節因子Special AT-rich sequence binding protein 1(SATB1)遺伝子を血球系細胞特異的に欠損させたコンディショナルノックアウトマウス(SATB1cKO)を用いて、自己免疫疾患発症機序の解析を行ってきた。これまでに、SATB1cKOマウスは、生後4週齢からシェーグレン症候群(SS)様病態を呈することを明らかにした。本研究では、SS 特異的な治療法の開発を目指し、SATB1cKOマウスを疾患モデルとして、SS発症初期の病態形成と、その後の全身性自己免疫疾患へ病態が進展する分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、生後早期よりシェーグレン症候群(Sjogren's syndrome; SS)様の病態を呈する疾患モデルマウスを用いて、自己反応性T細胞が正常なB細胞を自己抗体産生細胞に分化させるメカニズムの解析を行った。SS疾患モデルマウス由来の自己反応性T細胞をヌードマウスに移入した結果、SSモデルマウスの自己反応性T細胞は、ヌードマウスの正常B細胞を活性化し自己抗体産生細胞へと分化させることが明らかとなった。さらに、自己反応性T細胞を移入したヌードマウスでは、リンパ節のみならず、リンパ節以外の組織内でも自己抗体産生B細胞が活性化状態で長期間維持されている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シェーグレン症候群(Sjogren's syndrome; SS)患者検体やモデルマウスの検討により、SS はT細胞による組織破壊が発症のトリガーとなることが知られている。同時に、自己抗体産生などのB細胞の機能亢進もSSの病態形成には重要である。しかし、SS患者検体を用いた検討では、唾液腺などの組織破壊初期の検体は採取しにくい。しかし本研究で用いた疾患モデルマウスでは、SS発症初期に起こる自己反応性T細胞、自己抗体産生細胞の細胞動態を調べることが可能である。したがって、本研究で得られた結果は、SSを発症させる病原性T細胞が、B細胞を活性化する新たなメカニズムの解明に寄与することが示唆される。
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