研究課題/領域番号 |
19K23880
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松本 泰典 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80738831)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | CD63 / エクソソーム / 食道扁平上皮癌 / 食道癌 / HER2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、予後不良な癌腫の1つである食道扁平上皮癌に対して、エクソソーム 特異的なマーカーとして知られているテトラスパニンCD63をターゲットとした新規治療薬の可能性を探索する事を主目的とする。そのために、 テトラスパニンCD63の食道扁平上皮癌組織における臨床病理学的検討、および食道扁平上皮癌細胞株における発現・機能解析およびパスウェイ解析を行う。その結果に基づき、新規治療法の探求・分子標的薬の可能性に関する検討をin vivo, in vitro両面から行う。
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研究成果の概要 |
食道扁平上皮癌におけるCD63蛋白および細胞外小胞エクソソームの解析を行なった。CD63蛋白の癌組織における発現と臨床病理学的因子との解析を行なったが、生存や再発に関して明らかな関連を認めなかった。また、癌細胞におけるCD63とエクソソーム放出能との間にも明らかな相関を認めなかった。食道扁平上皮癌細胞が高濃度のエクソソーム存在下でどのような変化をもたらすかについて検討したところ、細胞の増殖は抑えられる一方で細胞の遊走は上昇する結果であり、癌の進展に影響を与えるものと考えられた。この結果は論文報告として発表した。(Matsumoto et al. Cancer Sci. 2020)
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクソソームは癌細胞を含めた各種細胞から放出され、癌の進展に関与するとされる。今回の検討で、食道扁平上皮癌の細胞株が自身から放出されるエクソソームを高濃度に添加された際に、増殖の抑制と遊走の上昇という表現系と遺伝子発現変化を起こすことを解明した。また蛍光イメージングを用いることによりエクソソームが癌細胞に取り込まれることも示した。このことは、癌進展のメカニズム解明の一助となるとともに、エクソソームの阻害や治療薬の担体としての利用を含めた新規治療の開発の可能性を示唆し、難治性のがんである食道扁平上皮癌の克服に寄与するものと考える。
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