研究課題/領域番号 |
19K23884
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
玉内 学志 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50845097)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 卵巣癌 / 抗癌剤 / ホルミシス / 低酸素 / 微小環境 / 抗癌剤耐性 / 卵巣がん |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌は婦人科領域において最も予後不良な癌種の一つであり、抗癌剤への容易な耐性獲得がその主因である。再発卵巣癌は多発的な病変を形成するが、抗癌剤治療によって縮小する病変と増大する病変とがしばしば混在し、この病態は近年では腫瘍内の遺伝子多様性(heterogeneity)の観点で論じられてきたが、腫瘍周辺の微小環境の違いがエピジェネティックに誘導する悪性形質である可能性がある。本研究では、これら微小環境が関与する抗癌剤耐性メカニズムを解明し、再発卵巣癌に対する新規治療戦略への布石を作ることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
【目的】多発的な病変を形成する再発卵巣癌では、抗癌剤によって縮小する病変と増大する病変とがしばしば混在し、これは微小環境の違いによって腫瘍にデリバリーされる酸素量と抗癌剤量に偏りが生じると、かえって癌の増殖を促進させてしまうという仮説に基づき検証を行った。 【成績】NOS3は、IC50量の1/10~1/100量のCDDPを投与することで細胞増殖が有意に亢進した。この濃度帯の細胞増殖亢進は20%酸素培養に比して1%酸素培養で顕著だった。メタボローム解析では、抗癌剤からの保護作用を持つとされる還元型グルタチオン及びグルタチオン総量が、IC501/100量の細胞で増加していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低濃度の抗癌剤投与は、かえって癌細胞の増殖を亢進させ (抗癌剤ホルミシス)、低酸素状態によってこの作用が増強することが判明した。卵巣癌の腹膜微小環境においては、酸素や抗癌剤のデリバリーに不均衡が生じることは十分あり得、抗癌剤ホルミシスを念頭において治療に当たる必要があると考えられる。
|