研究課題/領域番号 |
19K23922
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
木内 純 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (10847180)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胃癌 / 大腸癌 / サルコペニア / 癌抑制型microRNA / エクソソーム / エクササイズ / サイコペニア / 消化器癌 / microRNA / 抗癌核酸治療 / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
近年、消化器癌において骨格筋量の減少(サルコペニア)が不良な短期・長期予後に関連することが報告されている。しかしその背景となる分子メカニズムについては不明な点が多い。我々はこれまでに、microRNAの中には癌組織中で癌抑制的な作用を持ち、担癌患者血漿で健常人と比較して濃度低下している癌抑制型microRNAも含まれており、これらの血中濃度を回復させることが新たな抗癌核酸治療となりうることも報告している。本研究では各種の消化器癌においてサルコペニアの病態を反映しうる血漿microRNAの同定と機能解析を行い、サルコペニア併存担癌患者に対する抗癌核酸治療への応用の可能性について検討する。
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研究成果の概要 |
消化器癌において、サルコペニア併存状態が不良な長期予後に関連するメカニズムについて解析した。まず骨格筋由来のmicroRNAであるmiR-133bの血中濃度が、胃癌および大腸癌患者の骨格筋量に相関していることを発見した。そしてmiR-133bが癌抑制作用を持ち、これが骨格筋から循環血中に分泌され腫瘍に送達されることにより癌の進展を抑制していること、またサルコペニア症例においてはこのmiR-133bの血中濃度が低下することにより癌の進展が助長されることを明らかにした。またエクササイズにより骨格筋量を維持することで、血中miR-133b濃度が維持され、腫瘍の進展を抑制し得ることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化社会において、サルコペニア併存症例は今後ますます増加することが予想され、このような症例の不良な予後を改善する治療戦略の確立が喫緊の課題である。本研究において、miR-133bがサルコペニア併存消化器癌患者の不良な予後に重大な影響を及ぼしている可能性があり、運動療法やmiR-133bの直接投与により血中miR-133b濃度を維持することが、サルコペニア併存担癌患者の予後を改善する可能性があることが分かった。これはサルコペニア併存担癌患者に対する治療戦略として、新たな可能性を示すものである。
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