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遺伝性早老症ウェルナー症候群は、一般的なヒトの老化に見られるような症状(白内障、糖尿病、悪性腫瘍など)を若年で呈する一方、間葉系組織を中心とした臓器に、一般老化では見られないような特有の症状(難治性皮膚潰瘍、肉腫など)を呈するが、その原因は明らかではない。本研究では、患者を苦しめる主要な要因の一つである難治性皮膚潰瘍に焦点を当て、メカニカルストレスとの関連について研究を進める。
遺伝性早老症ウェルナー症候群(WS)は、一般的なヒトの老化に見られるような症状(白内障、糖尿病、悪性腫瘍など)を若年で呈する一方、間葉系組織を中心とした臓器に、一般老化では見られないような特有の症状(難治性皮膚潰瘍、肉腫など)を呈するが、その原因は明らかではない。本研究では、患者を苦しめる主要な要因の一つである難治性皮膚潰瘍に焦点を当て、メカニカルストレスとの関連について研究を進めた。その結果、WS患者由来足部線維芽細胞は体幹部線維芽細胞とは異なる表現型を示すことが明らかとなり、今後の病態解明や治療開発に役立つ可能性がある。
WS患者の四肢は、皮下脂肪が萎縮し、石灰化を伴う難治性皮膚潰瘍を高頻度に伴う一方、体幹の皮膚には明らかな異常は見られない。しかしその差が生じる機序は不明であった。今回我々は2名のWS患者の足部および体幹から皮膚線維芽細胞を樹立し、表現型を比較した。その結果、足部由来線維芽細胞は体幹由来に比し、脂肪・軟骨分化能が低下している一方、骨分化能は同等に保たれていた。これらの結果はWSの難治性皮膚潰瘍と密接に関連している可能性があり、今後の治療開発への応用が期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
Aging (Albany NY)
巻: 13 号: 4 ページ: 4946-4961
10.18632/aging.202696
Nature Communications
巻: 10 号: 1 ページ: 1-8
10.1038/s41467-019-13172-8