研究課題/領域番号 |
19K23962
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 章仁 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20846290)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人工多能性幹細胞 / 難治性腎疾患 / 間葉系幹細胞 / 人工多能性細胞 / 免疫制御細胞 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
腎疾患に対して免疫調整性細胞が腎保護効果を示すことは報告されている。しかしながら臨床応用に用いる際には、それらの細胞が不均一であること、細胞的老化などが問題となっている。この問題点を解決するため、研究代表者は人工多能性幹細胞(iPSC)に注目した。iPSCを用いることで、治療に使用する免疫調整性細胞は性質が比較的均一となり、同細胞を安定的に供給することが可能となる。 そこでまずはiPSCから、様々な免疫調整性細胞を効率よく分化誘導する方法を確立する。そして腎疾患モデル動物に投与し、いずれの細胞が高い腎保護効果を有するのか明らかにすることにより、難治性腎疾患の新規治療法の開発へつなげていく。
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研究成果の概要 |
我々は、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)から間葉系幹細胞(MSC)などの免疫制御細胞を誘導し、腎疾患モデル動物に対する治療効果を検討すべく研究を進めてきた。結果、ヒトiPS細胞からMSC誘導は比較的安定して施行できた。また腎疾患モデル動物(マウス・ラット)の確立と、誘導したMSCの投与プロトコル、治療効果評価プロトコルの確立も行った。複数の細胞株での比較、検証が必要ではあるが、難治性腎疾患に対して、ヒトiPS細胞から誘導したMSCを用いた新規治療法確立の可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回我々は、腎疾患領域における、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた新規治療法開発の可能性について検討してきた。当教室ではこれまで間葉系幹細胞(MSC)を用いた新規治療法の開発に注力してきた。しかし、MSCは採取できる量に限界があったり、均一的な性質や効果を示すとは限らず、また継代を重ねることで“細胞的老化”を示すとされてきた。今回の我々の研究では、iPS細胞からMSCを誘導することで、これまでのMSC治療の問題点を克服することにつながると考えられた。さらにiPS細胞は治療効果を高める工夫も追加しやすく、難治性腎疾患の新規治療法開発につながることが期待される。
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