研究課題/領域番号 |
19K23980
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70771856)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Sirt3 / 異常リモデリング / 肺血管内皮 / 内皮間葉転換 / ARDS / 肺線維症 / 肺オルガノイド / シングルセル解析 / Pulmosphere / SIRT3 / ヒト肺検体 / 肺がん / ミトコンドリア / 酸化ストレス / 形質転換 / 血管内皮細胞 / 癌微小環境 / 脂質酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はNox由来のROSが誘導する内皮間葉転換(EndMT)が肺線維化に関与している事を報告してきた。血管内皮細胞膜脂質中に局在する高度不飽和脂肪酸が、ROSにより過酸化脂質となり、アセチルCoAの調整を介してEndMTを制御する事も報告されている。今回、脂肪酸のβ酸化を触媒する長鎖アシルCoA脱水素酵素の制御遺伝子Sirt3が、EndMTの調節に関与していると仮説を立て、それをターゲットにした新規線維症治療法確立を目的として研究を立案した。遺伝子改変動物を用いた検証で仮説が証明されれば、ヒト肺検体から作成した3D-pulmosphereを用いてpreclinical studyを予定する。
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研究成果の概要 |
Sirt3と、その脱アセチル化ターゲットである抗酸化遺伝子のIDH2とSOD2の発現について、健常肺よりも線維化肺において低下していた。ヒト肺血管内皮細胞を用いた検討では、Sirt3-siRNAによってミトコンドリアDNA損傷が増加し、EndMT発生率も上昇することが明らかになった。LPS反復投与により作成したARDS後肺線維症モデルマウスを用いて解析したところ、Sirt3に関係するEndMTは微小毛細血管レベルで確認された。ヒト肺サンプルを用いて樹立したPulmosphere ARDS後肺線維症モデルに対するSirt3活性化効果を持つジヒドロミリセチンの薬効は確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を開始して間もなく、新型コロナウイルスの世界的流行が始まり、post ARDS pulmonary fibrosisが「コロナ後遺症」として認知されるに至った。上皮細胞への傷害を起点に線維化が誘発されるのではなく、血管内皮を起点に誘発される病態形成は新型コロナウイルス感染症においてもあてはまり、その病態の一端を探索する形となった。
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