研究課題/領域番号 |
19K23994
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 晃一 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (10845259)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 腸内細菌叢 / フェニル硫酸 / チロシンフェノールリアーゼ / 末期腎不全 / バイオマーカー / 腸腎連関 / TPL阻害剤 / 腸内細菌叢の変容 / PS産生亢進 / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病性腎臓病(DKD)は末期腎不全に至る最多の原疾患であり発症者の早期発見や進展予防は急務の課題であるが、既存の血糖管理や血圧管理といった治療だけでは進行を止められない症例も多い。また一般にDKDの評価に用いられるアルブミン尿やeGFRといった指標ではこれらが顕在化してからでは手遅れとなってしまう症例もある。 申請者は腸内細菌酵素によってチロシンから産生されるフェノールの代謝物であるフェニル硫酸がDKD発症の早期発見マーカーであり治療ターゲットとなり得ることを明らかにした。 本研究は腸内細菌というこれまでのDKD治療や診断マーカーにない新たな分野を対象とした研究で極めて新規性が高い研究である。
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研究成果の概要 |
糖尿病性腎臓病(DKD)は末期腎不全に至る最多原疾患であり、その発症や増悪の予防は喫緊の課題である。我々は腸内細菌によって産生されるフェニル硫酸(phenyl PS)とDKDとの関係に着目し、PSがDKD発症や増悪に関与するメカニズムと臨床応用の可能性を明らかにした。まず糖尿病では腸内細菌叢が変化し体内のPS産生が亢進していることを明らかにし、腸内細菌がDKDの治療ターゲットとなることを見出した。更に血中PS濃度の低減はアルブミン尿減少効果を持つことを明らかにしており、より強力なPS低減効果を有する化合物の薬理学的スクリーニングによる同定を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎臓病は末期腎不全に至る最多原疾患であり、腎不全に至ると透析治療を余儀なくされる。末期腎不全は患者のQOLを著しく低下させるだけでなく、透析治療には患者一人あたり年間約500万円の医療費がかかっており医療経済的にも末期腎不全患者数を減らすことは極めて重要である。本研究は腸内細菌叢に着目し糖尿病性腎臓病の新たな発症予測マーカーや治療法の可能性を示したものであり、学術的・社会的意義は大である。
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