研究課題/領域番号 |
19K24009
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 兵庫医科大学 (2020-2022) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
奥野 将之 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10844011)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 循環腫瘍細胞 / 腫瘍免疫 / 微小環境 / 癌微小環境 / 転移性大腸癌 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
循環腫瘍細胞(circulating tumor cell: CTC)は腫瘍から遊離して血中を遊走する細胞で、腫瘍細胞と同様に個々の細胞に遺伝子変異やタンパク発現の多様性を持つと考えられる。 CTCは外科手術中に増加し、術後に減少するが一部の患者では比較的長期に検出されることが報告されているが、その数的・質的変化の詳細やメカニズムは研究されおらず、自然免疫機構がこれに関与している可能性がある。 そこで周術期の複数の時点でCTCを回収し、その遺伝子発現解析や癌幹細胞マーカー発現、免疫チェックポイント機構に関連する分子の発現の差異などを検討し、新たな免疫治療ターゲット分子を探索する。
|
研究成果の概要 |
本研究では転移性大腸癌患者から術中および術後に循環腫瘍細胞(CTC)採取を行い解析を行う予定であった。術前血液サンプルからはCTCと思われる細胞が分離可能であったが、術後では腫瘍組織の減少によってCTCが減少すると思われ、解析可能なCTCが回収できなかった。よって術前の循環腫瘍細胞のみでRNAシークエンスなどの解析を行った。腫瘍条件や予後、術前化学療法の有無等で層別化を行い比較検討したが、遺伝子発現などに有意差は認められなかった。 また、CTCによる肝転移の形成と肝類洞内皮細胞障害の関連について動物モデルを用いて検討したところ、類洞内皮障害モデルでは有意に肝転移の形成個数が多かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
循環腫瘍細胞(CTC)の治療前後の自然排除機構を検討することで、CTCの免疫機構への耐性に関わる新たな分子を発見できるのではないかと考え、研究を行ったが、想定通りの結果は得られなかった。ごく少量のCTCを回収してRNA sequenceなどの解析を行うことが技術的課題であり、今後この問題をクリアすることで予定通りのCTCの免疫機構への耐性に関わる新たな分子の検討を行う必要がる。 また、別実験で肝類洞内皮細胞障害の存在下ではCTCによる肝転移形成が促進されることを確認した。化学療法等による類洞内皮障害の予防が肝転移抑制に有効であることが示唆され、今後のメカニズムの解明が必要であると考えられた。
|