研究課題/領域番号 |
19K24076
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
本田 尚郁 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10840085)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Netrin-1 / Netrin-4 / メラノーマ / Netrin1 / Netrin4 / 悪性黒色腫 / 細胞増殖 / 細胞移動 / 転移 / Netrin / 血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍では腫瘍の成長に伴い、腫瘍細胞、血管内皮細胞、さらにこれらの細胞を支持する間質細胞から構成される腫瘍(がん)微小環境が構築される。この腫瘍微小環境内では細胞間同士がコミュニケーションをとり、腫瘍の増殖・浸潤・転移を制御する。Netrin-1, 4は多くの悪性腫瘍細胞の移動・浸潤に関わるが、悪性黒色腫におけるNetrin-1, 4の役割には不明な点が多い。われわれ研究チームはこれまでに血管内皮細胞からNterin-1, 4が分泌されることを見出している。そこで本研究では、悪性黒色腫の腫瘍微小環境における血管内皮細胞から分泌されるNetrin-1, 4の役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
近年,Netrin は多くのがん細胞に対して悪性度を亢進させることがわかり,治療のターゲットとして注目されている. まず,データベース解析から,メラノーマに発現するNetrin-1, -4の発現が高い患者の方が,生存率が低い傾向にあることがわかった.次にマウスメラノーマ細胞株B16を用いて実験を行なった.すると,Netrin-1, -4処理によりB16の生存細胞数は増加し,CyclinD2やCyclinD2の発現量も増加したことから,両Netrin共にメーラノーマの増殖を促進することが明らかとなった.また,Wound healing assayからB16細胞の移動を促進すると考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Netrinがメラノーマの悪性化因子であることを示せれば液性因子であるNetrinに対する中和抗体は有力な治療の候補となり得る.実際,Netrin-1に対する抗体は進行性固形がんに対しての第I相試験が終了している.さらにNetrin-1の発現量と悪性黒色腫の悪性度や予後との相関が明らかになれば,血液中を循環するNetrin-1量をELISA等で定量することで,再発や転移のリスクを反映する有用なバイオマーカーとなる可能性がある.
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