研究課題/領域番号 |
19K24114
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高 昇将 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00846082)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SiC繊維 / 短繊維強化型レジン / 繊維強化型レジン / 短繊維 / 欠損補綴 / CAD/CAM / SiC / ロングスパンブリッジ |
研究開始時の研究の概要 |
現在、歯科補綴物の製作にCAD/CAMシステムが用いられており、補綴物の精度の向上および省力化に多大な貢献をしている。しかしながら、高強度硬質レジンブリッジ(HRBr)は、ガラス繊維の配置を考慮する必要があるためハンドメイドで製作する必要があり、CAD/CAMシステムが利用できない。また、HRBrは機械的強度が不足しているため、ロングスパンブリッジへの応用には適さない。そこで、これらの問題点を解決するため、ガラス繊維よりも高い機械的強度を持つSiC繊維の短繊維に着目し、ロングスパンブリッジに応用可能な機械的強度を持つ新規CAD/CAM用短繊維強化型コンポジットレジンの開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、優れた機械的強さおよび化学的安定性を持つ炭化ケイ素(SiC)繊維の短繊維を強化材として用い、CAD/CAMシステムで利用可能かつガラス繊維強化型レジンより高い機械的強さを持つ繊維強化型レジンの開発を行った。 SiC短繊維を繊維強化材して用いる場合、適切な繊維長は2.0 mmであること、SiC短繊維強化型レジンの機械的強さを向上させるために市販シランカップリング処理剤が有効であること、100℃温水中に28日保管した後も機械的強さは減少しないことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で試作したSiC短繊維強化型レジンは、ガラス繊維強化型レジンより少ない繊維含有量で同等以上の曲げ強さを確保できること、口腔内の使用に耐えうる長期耐久性を有することが示唆された。これらの結果から、補強効果に優れるSiC長繊維と力学的等方性を発揮するSiC短繊維を組み合わせることで、力学的等方性および化学的安定性を持ち、更に高い機械的強さを発揮する高分子複合材料の開発が可能であると考えられる。 これにより、歯の欠損が広範囲に及んだ場合でも、歯科用合金を使用しない固定性補綴装置による欠損補綴治療が安価に、かつCAD/CAMシステムを用いて簡便に実現できるようになる可能性が示唆された。
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