研究課題/領域番号 |
19K24135
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宍戸 駿一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20850613)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ファイトケミカル / ポリフェノール / プロアントシアニジン / 卵巣摘出ラット / 骨粗鬆症 / 抜歯窩 / 腸内細菌 / 骨代謝 / 骨治癒 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症患者においては、抜歯窩の治癒遅延等の歯科的問題が生じる。ファイトケミカルとは植物由来の化学物質の総称であり、様々な生理活性を有する物質が含まれている。我々がこれまで行った研究において、ファイトケミカルの一種であるプロアントシアニジンを経口投与することで、骨粗鬆症モデル動物(卵巣摘出ラット)の頭蓋骨に作製した骨欠損の治癒が促進することを発見した。この骨治癒促進効果は歯科臨床に応用できる可能性が高い。そこで本研究では、歯科応用に最適なファイトケミカルを選定するために、様々なファイトケミカルが骨粗鬆症モデル動物の抜歯窩(歯槽骨)の治癒に及ぼす影響を比較および評価し、その作用機序を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、骨粗鬆症モデル(卵巣摘出)ラットにおいて、ファイトケミカルの経口投与が抜歯窩(歯槽骨)の治癒に及ぼす影響を評価することを目的とした。7週齢の雌性ラットにおいて卵巣摘出を行い、1週間後に上顎左右第一大臼歯を抜歯した。卵巣摘出の翌日から実験終了時までプロアントシアニジンを毎日経口投与(100 mg/2.5 mL/kg)して、8週間後の抜歯窩の状態をマイクロCTと組織切片で評価した。結果、プロアントシアニジン投与群とコントロール(水投与)群で比較して新生骨量に大きな差はみられず、今回の方法では卵巣摘出ラットにおける抜歯後の新生骨量に対するプロアントシアニジンの効果は確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファイトケミカル(植物性化学物質)は安全性が高く、一般的な骨粗鬆症治療薬であるビスフォスフォネート製剤とは異なり、副作用を惹起するリスクは低い。そのため、骨粗鬆症患者の歯科治療における新たな医薬品あるいは特定保健用食品となる可能性を秘めており、本研究でその効果を示せれば社会的な意義は大きい。また、本研究ではラットの卵巣摘出術+抜歯+ファイトケミカル投与の実験系を用いており、今後様々なファイトケミカルの投与を通してその効果の検討や作用機序の解明を行うことができるため学術的に意義がある。
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