研究課題/領域番号 |
19K24159
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 北海道大学 (2019) |
研究代表者 |
鈴木 絢子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90849986)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 水痘 / 予防接種 / 新型コロナウイルス / 疫学 / 数理モデル / 感染症数理モデル / 費用対効果分析 / 感染症疫学 / 予防接種政策 / 費用対効果 / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
予防接種政策の評価基準の1つとして費用対効果分析が広く利用されており、日本においても研究が行われているが、多くは感染症の罹患リスクと予防接種率との間に線形の関係を想定したモデルを用いる傾向がある。しかし、ワクチンには集団免疫等の間接的効果があり、感染リスクと接種率の関係は本質的に非線形であるため、伝播メカニズムを捉えた数理モデルを用いて間接的効果を加味した評価が求められる。本研究ではワクチンの間接的効果を考慮し、日本において理論的に最適な予防接種政策を確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、水痘ワクチン定期接種化と新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴う公衆衛生対策が日本の水痘疫学動態に与える影響の検討を行なった。 2014年10月に水痘ワクチンが定期接種化されて以降、水痘の報告数は急激に減少している一方で水痘に感受性を持つ10歳以上の人口数が上昇していることが示され、水痘ワクチン未接種の世代へのワクチン接種を検討する必要性が示唆された。さらに、水痘ワクチンの効果は非常に高く、新型コロナウイルス感染症流行に伴う公衆衛生対策によって感染者が減少したにも関わらず、感受性人口の増加は認めず今後、生活が正常化して以降も大規模流行が発生する可能性は低いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的はワクチン接種政策、感染症対策への数理モデルの活用であり、特に水痘に着目し研究を実施した。2014年10年に開始された水痘ワクチン定期接種化の効果について評価しワクチン未接種の世代への追加接種の必要性を検討した点や、新型コロナウイルス感染症に伴って実施されてきた公衆衛生対策が将来の水痘疫学動態に与える影響を検討して点で社会的意義がある研究である。また、水痘ワクチンの定期接種化による水痘感染年齢の上昇については以前より指摘されており、日本の疫学データを利用して定量的に示した点で学術的な意義も高いと考える。
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