研究課題/領域番号 |
19K24330
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 立命館大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
横川 拓海 京都大学, 農学研究科, 助教 (80844323)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インスリン様成長因子1 / 骨格筋 / 脳 / 臓器連関 / 情動 / 学習 / インスリン成長因子1 / 海馬 / インスリン様成長因子1 / シナプス / インスリン様成長因子 / 運動 / IGF-I |
研究開始時の研究の概要 |
運動は、脳の健康増進効果があることが報告されているが、その分子機序は明らかでない。骨格筋のインスリン様成長因子1(IGF-I)は運動により増加する。また、血中のIGF-Iは脳に輸送され、海馬の分子応答を惹起することから、運動に伴い骨格筋から分泌されたIGF-Iが血流を介して、脳で作用する可能性があるが、IGF-Iが運動における骨格筋と脳とのインタラクションの媒介因子であることを直接的に示した研究は存在しない。本研究では、骨格筋のIGF-Iが、運動による脳の健康増進を媒介している可能性を、骨格筋特異的なIGF-I欠損マウスを用いて、行動学的、生化学的、組織学的解析により検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、成体マウスの骨格筋にてインスリン様成長因子1(IGF-I)を欠損させた後、行動解析(オープンフィールド試験・高架式十字迷路試験・Y迷路試験・バーンズ迷路試験)および生化学解析を実施することで、骨格筋IGF-Iの脳機能への寄与を検討した。その結果、成熟骨格筋におけるIGF-Iの欠損は、1) 自発行動量、不安様行動、学習機能に顕著な影響をもたらさない、2) 海馬におけるシナプス分子および神経活動マーカーの発現量に顕著な影響を与えない、3) 血漿・血清のIGF-I濃度を変化させないとの知見が得られた。以上より、骨格筋IGF-Iは、脳機能に顕著な影響を及ぼさないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで間接的なエビデンスにより示唆されてきた骨格筋IGF-Iの脳機能への寄与を、成熟骨格筋特異的IGF-I欠損マウスを用いて検証した。その結果、成熟骨格筋におけるIGF-Iの欠損は、自発行動量・不安様行動・学習能力に顕著な影響を及ぼさないことが明らかとなった。また、海馬の生化学解析においても、同様に顕著な影響は観察されなかった。本研究は骨格筋による脳機能制御の分子機序におけるIGF-I以外の分子の重要性を示唆するとともに、骨格筋-脳の臓器連関を検証する研究のモデルデザインとなり得る点で学術的・社会的意義を持つと考えられる。
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