研究課題/領域番号 |
19K24377
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
先崎 理之 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教 (10845514)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 騒音汚染 / 生息地の分断化 / 鳥類 / 種数・個体数 / 感覚汚染因子 / 感覚生態学 / 交通騒音 / 分断化 / 生物多様性 / 鳥類群集 |
研究開始時の研究の概要 |
人為活動に伴う生物多様性の喪失の抑制は、人類共通の喫緊の課題である。従来、生物多様性の広域評価では、生息地の分断化の影響が強調されてきた。しかし近年、分断化としばしば同時に生じる環境汚染源である交通騒音が、動物の行動や群集構造に影響することが分かってきた。そこで本研究では、北海道勇払平野の分断化の程度が異なる複数の森林景観で、鳥類群集を対象に騒音の再生実験を行う。そして、鳥類の種数・個体数への騒音と分断化の影響力を比較し、分断化の程度に応じて騒音の影響力が異なるのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
現在、騒音が世界中に蔓延しており、生物多様性への悪影響が懸念されている。しかし、その影響力が生物多様性喪失の主要因である生息地の分断化に匹敵するのかどうかは未解明だった。本研究では、北海道勇払平野の分断化の程度が異なる10の森林調査地(1ha)において、鳥類群集を対象とした野外騒音再生実験を行った。その結果、騒音再生は鳥類の種数を50.6%(2.90種類)、総個体数を60.7%(5.97個体)減少させた。一方、分断化は鳥類の総個体数のみを減少させ、その減少の程度は46.7%(4.11個体)だった。これらより、鳥類群集への騒音の影響は生息地の分断化よりも大きいことが初めて明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は森林性鳥類群集への騒音の影響が生息地の分断化よりも大きいことを野外操作実験により世界で初めて実証した。このことから、効果的な生物多様性保全を進めるためには、現在は分断化されていない静かな景観を優先的に保全していく必要があること、生息地の分断化だけでなく騒音への対策も行う必要があること、そうした対策の実施によって景観内の生物多様性が大きく回復する可能性があることが明らかになった。
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