研究課題/領域番号 |
19K24393
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
安野 翔 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 主任 (80850007)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 外来生物 / 水生植物 / オオフサモ / オオカワヂシャ / ミズヒマワリ / ポテンシャルマップ / MaxEnt / 付着動物 / GIS / 特定外来生物 / クモ / 食物網 / 安定同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、外来水生植物の急速な分布拡大に伴い、在来生態系への影響把握や防除に関する知見がますます求められている。本研究は、侵略性の高い外来水生植物の生態系に与える影響の解明及び地域レベルでの被害予測を目的に、以下の研究を実施する。 ①外来水生植物が空間構造や物理化学的条件を改変することで、水域及び陸域の生物群集、食物網に及ぼす影響を炭素・窒素安定同位体比を用いて明らかにする。さらに、群集や食物網の変化を介して、陸域-水域相互作用に及ぼす間接的影響を解明する。 ②埼玉県が保有する外来水生植物の分布情報を地理情報システム(GIS)により解析し、上記の生態系への影響が及ぶ地域を可視化する。
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研究成果の概要 |
本研究では、外来水生植物が水生動物群集に及ぼす影響および潜在的な生育適地の推定を行った。(1)外来と在来の水生植物間で付着性の水生動物群集構造を比較したところ、外来のオオフサモとコカナダモでは巻貝が群集に占める割合が大きかったのに対し、在来のホザキノフサモでは、巻貝が全体に占める割合は僅か3%程度であった。(2)市民調査結果およびオープンデータを用いて、関東地方における3種の外来水生植物(オオフサモ、オオカワヂシャ、ミズヒマワリ)の潜在的な生育適地をMaxEntを用いて推定した。その結果、いずれの外来水生植物も平野部の開けた水域周辺で分布確率が高いことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
知見が十分ではない水生植物に付着する水生動物群集に関する情報を得るとともに、外来水生植物が外来巻貝の生息場所になっていることが明らかにすることができた。また、市民調査およびオープンデータを用いた外来水生植物のポテンシャルマップを作成することで、これらの植物の生育可能性あるいは侵入リスクを視覚化することができた。これらの結果は、外来水生植物の防除策を検討するうえでの基礎情報になるばかりでなく、県民への普及啓発に有効活用することができる。
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