研究課題/領域番号 |
19KK0137
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
解良 聡 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 教授 (10334202)
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研究分担者 |
松井 文彦 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 教授 (60324977)
田中 清尚 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 准教授 (60511003)
長谷川 友里 立命館大学, 理工学部, 助教 (60829464)
出田 真一郎 広島大学, 放射光科学研究センター, 准教授 (80737049)
山田 一斗 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 特任研究員 (50836210)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 運動量顕微鏡 / 電子構造 / 分子軌道 / 機能材料 / シンクロトロン放射光 / 電子スピン / 光電子分光 / 波数顕微鏡 / 光電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
ドイツで開発された波数顕微法をベースにした先端的な多次元多変数電子分光法をUVSOR放射光施設にて確立し、有機分子薄膜、ヘテロ界面・低次元原子層膜などにおける多様なミクロ・ナノ構造に起因する電子状態の制御と機能評価を実現することで、物性科学のフロンティアを開拓し、新規機能性材料における電子論の新学理を構築する。
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研究実績の概要 |
物性・機能発現において、局所的な原子構造と価電子状態が寄与する原理を明らかにし、いかにそれらを制御するかが課題となっている。そのための最短の道筋のひとつとして最新鋭の顕微二次元波数分解機能を持つ新規光電子分光法(光電子運動量顕微鏡)の確立と、機能性材料の電子状態研究のフロンティアの開拓を目的として研究を進めた。日独のグループが独自の測定手法(日)と新規分析装置(独)の開発技術を共有することで、波数顕微鏡法をベースにした先端的な電子分光法を確立し、複数の先端研究を推進するユニークな計測プラットフォームを構築することが目的である。現地でのface-to-faceのコミュニケーションや現場作業を通じた実験によるノウハウの享受は画面越しのオンライン型ではかなわない。それでも漸く、延期されていた国際会議ALC22(第14回新物質とデバイスのための原子レベル評価に関する国際会議)が日本で開催される運びになり、松井らの運営により光電子運動量顕微鏡に関する特別セッションを実施した。本課題の共同研究者であるSchneider教授を招待し講演を行っていただいた。また要素技術の競争者である台湾放射光施設のChuang博士に招待講演を依頼した。 一方で、本課題研究のもう一つの柱である装置開発は3次元スピン状態計測のプロトタイプ機構を設計製作したが、ウクライナ情勢による部品供給難で、一部機構に問題が生じ、著しく計画が遅れた。次年度に課題期間を延長することで、我が国での最終調整を進めつつ、ドイツ国に出向することで、現地装置状況との比較調査を進めて本課題を完成させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究推進の要となる最新鋭の光電子運動量顕微鏡実験装置はプロトタイプ機がUVSOR施設に導入されて以来、精力的に測定が開始されて成果報告も実施できている。しかし最終形態である2次元スピン分解計測機能は立ち上げ半ばであり、具体的な技術ノウハウ取得のためのドイツ現地での実地訓練や作業が欠かせない。日本で本テーマの国際会議を開催でき、密な情報交換と人的相互作用が復活できた点は幸いであった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に期間延長することで、我が国で先鋭装置の最終調整を進めつつ、ドイツ国に出向することで、現地装置状況との比較調査を進めてスピン分解機能を実機評価し、本課題を完成させる [松井・解良]。ドイツ国の内情に精通しているシニア研究者に現地での追加調査を依頼するとともに、課題終了後を見据えた今後の両国の関係強化を行う予定である。本顕微鏡装置の国内研究会、国際シンポジウムの運営に尽力し、ユーザーへの広報支援を通じてコミュニティ育成に資する[松井・解良・田中]。これら関連研究会にて成果を発表し議論を深める[長谷川・出田]。また先方ユーリッヒ総合研究機構PGI研究所と分子科学研究所間のMOU協定締結期間の満了を迎えるが、課題終了後も密接な協同関係が不可欠であり、今後5年間の協定期間の更新に向けて双方事務機関での協議を進める。
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