研究課題/領域番号 |
19KK0141
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
柴 弘太 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (20638126)
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研究分担者 |
田村 亮 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹研究員 (20636998)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 粘性係数 / マイクロ流路 / 流体力学 / 構造力学 / 流体―構造相互作用 / 気体 / 液体 / 流体 / 質量分析 / マイクロフルイディクス / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
質量分析は、薬剤探索、食品分析、犯罪捜査など多用途に用いられる分析法である。それ故、2002年ノーベル賞のMALDIを経て今なお開発が進む、研究現場に欠かせない主要分析技術である。本研究では、質量分析を研究用途にとどまらず、より手軽かつ広範に使用可能な技術へと昇華させることを目指す。そのために、申請者が独自開発した簡易分子量測定法を中心技術として利用する。共同研究を推進するHarvard大学Weitz教授の協力の下、上記手法による測定対象を拡張し、現行の質量分析を代替しうる分析法へと発展させる。これにより、いつでもどこでも誰でも利用可能な次世代質量分析法を創出する。
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研究実績の概要 |
本研究は、申請者独自の分子量測定法(大気環境、リアルタイム、非破壊)を、国際共同研究を推進するProf. Weitzとともに発展させ、モバイル用途まで見据えたイオン化不要の新奇質量分析法の創出を目指すものである。従来の質量分析は、試料をイオン化・断片化し、それらを逐次測定することで、試料の構造に由来する情報(マススペクトル)を得るという非常に優れた定性・定量手法である。しかし、試料のイオン化のためには真空環境が必須となるため、原理的に装置の小型化、とりわけコンシューマー用途まで視野に入れたモバイル化には、ブレークスルーが必要であった。一方、申請者が開発した分子量測定法(流体熱力学質量分析、AMA)は、大気環境下で実施可能であるため、従来法が抱える原理的な制約に縛られない様々な可能性を有している。目下の課題は、分子量の決定だけでは、分子量が同じ試料(例えば構造異性体)に対しては適用できないという点にある。この課題を解決すべく、申請者は分子量とは独立した試料に固有のパラメータを選定し、それを分子量と同時に決定することで、構造異性体などまで含めたあらゆる試料に対応可能なアプローチを着想した。そのようなパラメータとして、試料の「粘度」に着目し、その定量に向けた検討を行った。その結果、Prof. Weitzが主な研究対象としているマイクロ流体関連技術を用いることで、粘度の定量手法の確立に成功した。さらには、色の変化に基づいて目視で気体を識別可能な新手法を創出するに至った。この手法も大気環境下で容易に実施できるものであり、色の変化は気体の分子量と粘度に依存することを見出している。これは全く予想していなかった成果であり、本研究で目指す「モバイル実装レベルの質量分析装置」の実現に大きく貢献するものになると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度は、依然としてCOVID-19の流行の影響があり、少なからず制限が残る中で計画を実施することを余儀なくされた。それにもかかわらず、色に基づいて気体を識別可能な新手法を創出し、それを特許申請、論文発表、プレスリリース、学会発表などの形で発表できたことは、大きな成果であったと考えている。本手法は予期せず得られたものであり、当初その詳細な原理が不明であったため別用途を検討していたが、色の変化が分子量および粘度に依存することを明らかにしたことで、結果として本研究の可能性を大きく広げるものとなった。そうした理由および今日までのCOVID-19関連情勢を鑑みても、現在の進捗状況は大変良好であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、前年度に確立・報告した「色に基づく気体識別手法」をベースに、単成分および混合気体の定性・定量分析の可能性について詳細に検討する。気体の流れを二次元の色情報として得られることを利用し、機械学習と組み合わせた画像分析の可能性についても検討する予定である。併せて、当初の計画であった分子量測定手法と流体粘度測定手法を併用することによる測定デバイスの作製も進める。その際、色に基づく手法との組み合わせがさらなる展開へとつながる可能性も念頭に、注意深く実験を行う予定である。
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