研究課題/領域番号 |
19KK0164
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
上田 明良 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究専門員 (90353599)
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研究分担者 |
山中 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10804966)
高橋 正義 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353751)
酒井 敦 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353696)
前藤 薫 神戸大学, 農学研究科, 名誉教授 (80346238)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ボルネオ島 / 東カリマンタン州 / リモートセンシング / GIS / 生物多様性 / ハチ類 / 糞虫 / 熱帯低地林 / GIS |
研究開始時の研究の概要 |
熱帯林の生物多様性保全は重要であるが、多様性を広域で明らかにした研究例はない。地上調査で得た多様性データと衛星画像の関係を解析し、当てはまりのよいモデル式が得られれば、地上調査ぬきで、多様性の推定が可能となる。本研究では、インドネシア共和国東カリマンタン州で、現地大学との協力のもと、簡易で安価な方法で動植物データの収集を行い、無償提供の衛星画像との関係を解析し、森林の成熟度、昆虫類の多様性およびオランウータンの分布を推定するモデルを開発する。さらに推定値を広域にあてはめて地図化することで、保護林の制定等に貢献する情報を提供する。
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研究実績の概要 |
インドネシア共和国東カリマンタン州北部と南部の低地に調査プロットを設定し、現地大学を中心とした樹木・昆虫の多様性とオランウータンの生息データの取得依頼を行った。但し、新型コロナの影響により、当初3年間行う予定であった多様性データの取得が2年間しか行えなかった。2年目のデータは2024年3月に受け取った。これを含めた生物多様性データを解析したところ、樹木の種数と糞虫の種数・捕獲数は健全林(原生的天然林)>二次林>ゴム園>油ヤシ(オイルパーム)園≒草地であった。糞虫の群集構造は大きく健全林、ゴム/油ヤシ園、草地の3つに別れ、二次林は健全林に近い群集とゴム/油ヤシ園に近い群集に別れた。他の徘徊性甲虫類はゴム園と草地で多かった。ハチ類の種数は健全林、二次林と草地で多かった。オランウータンは健全林でのみ記録された。これら多様性データを目的変数とした数式モデルに用いる説明変数の算出に、2023年1月1日から12月31日に撮影されたSentinel2衛星画像(Level2A)を用いた。調査地域を対象に、雲量60%以下の画像の中央値を使ったモザイク画像をGoogleEarthEngine上で生成したものを取得し、12の観測バンド値(B1から12の反射率)とバンド値から計算される各種指数を算出した。また、Sentinel2の各バンドの解像度(ピクセル)は 10から60mであることから、それに合わせて調査プロットから東西南北に1ピクセルずつ大きくしたサイズの各指数の平均値を170×170mサイズまで算出した。生物多様性地上データと衛星画像データの組み合わせのなかから、生物多様性を推定する最適数式モデルを組み立て、できあがった最適モデルをもとに地域全体の生物多様性を推定して地図化することで、保護林の設定等、東カリマンタン州の生物多様性保全に向けた施策に貢献する。
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