研究課題/領域番号 |
19KK0205
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡本 宗裕 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 教授 (70177096)
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研究分担者 |
桂 有加子 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (00624727)
川合 覚 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70275733)
案浦 健 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (90407239)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | サルマラリア / カニクイザル / アカゲザル / ハマダラカ / ナノポアシーケンシング / 野生由来 / タイ国立霊長類センター / ナノポアシーケンサー / 媒介蚊 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、ヒトのマラリアは4種とされていたが、近年サルマラリア原虫によるヒトの発症例が多数報告されている。野生ザルのサルマラリア原虫の感染状況の把握は喫緊の課題である。タイ国立霊長類センターでは、現在繁殖母群としてタイ各地からカニクイザルを導入しており、今後アカゲザルも導入予定である。本研究では、野生由来マカク類に寄生しているサルマラリア原虫を網羅的に調べるとともに、宿主特異性を規定する宿主側の遺伝的要因を特定する。
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研究実績の概要 |
サルマラリアは、東南アジアのマカク類を中心に30種ほどが報告されている。1960年代の実験室内の偶発事故やボランティアへの感染実験から10種ほどがヒトへも感染するとされているが、野生マカク類のサルマラリアに関する情報は極めて限られている。本研究は、タイの野生由来マカク類に寄生しているサルマラリア原虫を網羅的に調べ感染状況を把握するとともに、それらを分離・凍結保存すること、各サルマラリア原虫の媒介蚊の種を特定すること、宿主特異性を規定する宿主側の遺伝的要因を特定することを目的としている。さらに本研究を通して、我が国の研究者がマラリアに限らず医学・薬学分野のサル類を用いた共同研究を、同霊長類センターにおいて実施できる研究環境を構築する。 2020年度と2021年度は、新型コロナウイルスの影響で、タイでの調査およびタイ国立霊長類センターに保存しているサンプルの分析は実施できなかった。2022年度も年度当初はタイへの渡航ができなかったが、2023年1月と2月にタイでの調査を実施した。1月は、カニクイザルの定期健康診断にあわせて、血液サンプルを採取した。また、野生のカニクイザルを捕獲し、血液を採取した、2月は、タイ側がこれまでに実施した調査で、カニクイザルがPlasmodium cynomolgiに効率に感染している事が判明している寺院で、ハマダラカの採集を行った。 また、ナノポアシーケンスによるマラリア原虫種同定の有用性を確認するため、外注によるナノポアシーケンスを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度のに購入したMinION・MinITのセットアップをおこなったところ、コントロールサンプルを用いたシーケンスは実施できたが、使用を予定してい 2019年度のに購入したMinION・MinITのセットアップをおこなったところ、コントロールサンプルを用いたシーケンスは実施できたが、使用を予定していたノートPCではリアルタイムでのモニタリングが実施できないことが判明した。そこで、2020年度は、MacBook Proを購入し、再度セットアップをおこなった。しかし、その後Oxford Nanopore TechnologiesがMinITのサポートを終了し、高度なGPUを有するPC系が必要な実験系に仕様変更たため、2023年度当初はMinIONを使用することができない。再セットアップが必要である。 2020年度、2021年度は、タイ国立霊長類センターを訪問し保存サンプルをナノポアシーケンサーで分析すると共に、新たなサンプルを採取する予定であったが、新型コロナウイルスの流行により、タイへの渡航が困難であったことから、サンプルの分析や新規サンプルの採取は実施できなかった。 2022年度も、年度当初はタイへの渡航が困難であったが、2023年1月と2月にカニクイザルの血液とハマダラカを採取することができた。ハマダラカについては現在分析中であるが、カニクイザルの血液は現在タイ国立霊長類研究センターに保存してあり、次回の訪問時に分析する予定である。 本研究計画は、タイで採取したサンプルの現地での解析を目的としたものであり、タイでの調査が2年半の間全く実施できなかったため、研究計画は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、MinITが使用できなくなったため、岡本・桂はまず日本国内においてナノポアシーケンサーの再セットアップをおこない、PCR産物を用いて複数のマラリア原虫種を識別できる方法を確立する。また、ナノポアシーケンサーの特徴を活かしたロングリード法によるマラリア原虫DNAの検査系を検討する。 タイ訪問が可能になったため、まずに研究代表者・研究分担者全員が、7月にタイを訪問する。岡本・桂は、主にタイ国立霊長類研究センターのカニクイザルから血液を採取し、ナノポアシーケンスを実施する。案浦・川合は、2022年度に確認した寺院で、蚊のサンプリングを行い、マラリア原虫感染蚊を確認する。また、検出したマラリア原虫の遺伝子による同定を行うとともに、蚊体内から宿主DNAを検出することにより、媒介ハマダラカの宿主嗜好性を検討する 2023年7月の調査結果を踏まえ、定期健康診断が実施される10月あるいは2024年1月に、再度タイ国立霊長類研究センターを訪問し、調査を実施する。これらの結果をまとめ、論文として報告する。
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