研究課題/領域番号 |
19KK0206
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2021-2023) 愛媛大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
石野 智子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40402680)
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研究分担者 |
橘 真由美 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (00301325)
馬場 みなみ 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 研究員 (00814906)
鳥居 本美 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 客員研究員 (20164072)
入子 英幸 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (60346674)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 三日熱マラリア原虫 / タイ王国 / 伝搬阻止ワクチン / 有性生殖 / 生殖体 / マラリア原虫 / 伝搬阻止法 |
研究開始時の研究の概要 |
主にアジアで流行する三日熱マラリアは、致死性の低さおよび原虫の入手が困難なことから、経済/保健衛生における影響の大きさにも関わらず対策が遅れている。媒介蚊の体内でマラリア原虫の発育を止める伝搬阻止ワクチンの開発が期待されているが、未だ実用化に至っていない。本研究は、流行地の住人の血漿に伝搬阻止効果が認められることに着目し、自然感染により獲得された伝搬阻止抗体が、どの原虫タンパク質によって誘導されたかを明らかにすることで、有効なワクチン抗原を探索することを目的とし、タイ王国の研究者と協力して遂行する。
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研究実績の概要 |
三日熱マラリアは、致死性の低さおよび原虫の入手が困難なことから、経済や保健衛生における影響の大きさにかかわらず、対策が遅れている。蚊による媒介ステージを標的とした伝搬阻止ワクチンの開発が期待されているが、候補抗原のヒトでの免疫原性の低さが障害となり実用化に至っていない。本研究は、自然感染の結果獲得した伝搬阻止抗体が認識する原虫タンパク質を同定することを目的とする。感染流行地であるタイ王国の研究者と共同研究を行うことで、三日熱マラリア原虫の感染赤血球、および伝搬阻止効果のある抗血清という、双方とも極めて得難い材料を用いることが可能となり、本研究が遂行できる。 感染流行地の患者血液を、人工的にハマダラカ (Anopheles dirus) に吸血させるが、同時に、その血清成分を培地に置換して再構築したものを吸血させる。1週間後に蚊の消化管上に見られる原虫(オーシスト)を計測し、その結果を比較し各患者の血清中に感染阻止効果のある成分が含まれるかどうか解析した。伝搬阻止効果の認められた血清は、さらにIgGを除き、抗体による伝搬阻止効果か否か結論を得た。調べた患者血清37種類のうち、22種類で伝搬阻害効果が認められ、18のサンプルでは抗体による阻害効果が認められた。これらの阻害効果が示された血清中に含まれる既知の伝搬阻害抗体の含有量と阻害効果の相関を調べたところ、3種類の標的タンパク質に対し、強い相関は認められなかった。以上のことから、患者血清中から、これまで見出されてこなかった伝搬阻害抗体を探索することで、新規伝搬阻止ワクチンの開発につながる可能性が提示された。
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