研究課題/領域番号 |
19KK0260
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 麗璽 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (20362296)
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研究分担者 |
松林 志保 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (60804804)
藤田 素子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携研究員 (50456828)
小島 諒介 京都大学, 医学研究科, 講師 (70807651)
中臺 一博 東京工業大学, 工学院, 教授 (70436715)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ロボット聴覚 / 鳥類の鳴き声 / 音源定位 / マイクロホンアレイ / 行動生態観測 / 生態音響学 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題はマイクアレイを用いて音を聞き分けるロボット聴覚技術を活用して,「個体・集団・音風景」という時間・空間スケールの異なる鳥類生態の観測に革新的な貢献をもたらすことを目的とする.具体的には,国内のロボット聴覚研究者・生態学者が,米国の保護区の草原や森林,アジアの熱帯林等に出向き,現地の研究グループと協同して録音調査を行う.二次元音源定位による個体レベルの行動観測から,多個体のなわばり同定・鳴き声分類と特徴抽出,長時間・広範囲のマクロレベルの音景観多様性指標の抽出を行うことを通し,マルチスケールの生態情報の抽出を可能とするシステム開発と検討を行う.
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研究実績の概要 |
最終年度は,海外共同研究者との現地調査の継続や,動物音声の機械学習の専門家である海外共同研究者の訪問議論,関連する国内調査や技術開発等を実施しつつ,当初の目標であるマルチスケール鳥類観測への貢献についてまとめた. 具体的には,昨年度の研究調査を継続し,カリフォルニアのホシワキアカトウヒチョウと名大稲武フィールドのオオルリの鳴き声生成モデルを洗練し,性選択モデルを構築して実験を行った.その結果,明瞭で複雑すぎない構造の歌が選択される傾向があることが示唆された.ホシワキアカトウヒチョウに対するプレイバック実験では,生成鳴き声の明瞭さと野生個体のスピーカへの接近や鳴き返しの度合いに負の相関が見られた.オオルリに関しては,選択された歌を再生し野生個体の反応を分析した結果特徴的な反応が示唆されたがより詳細な分析が必要とされた. 動物音声の機械学習を専門とするTilburg大学のDan Stowell准教授を訪問し,研究分担者が開発する16chマイクアレイを用いたセミとトリのサウンドスケープ観測を含む一連の取り組みをセミナー講演し,音源の自動分類について議論した.また,研究分担者によるマルチモーダルな野鳥の検索を目的とした知識ベースの構築や,国内希少種のマイクアレイ観測等の実践的な取り組み等も行われた. 課題全体のまとめとして,人工知能学会第64回AIチャレンジ研究会において本課題の完了報告セッションを開催し,研究分担者による報告,および,Stowell准教授によるオンライン招待講演を実施した.代表者の鈴木は,本課題で実現した野生鳥類の詳細な空間的行動傾向や複数個体の行動傾向,社会的関係,森林のサウンドスケープ(仰角・方位角空間での音源定位,多種間相互作用,生物集団),自然と人工物(生成 AI)のように観測対象を少しずつ拡げ,応用の可能性を検討する取り組みと今後の展望を予稿にまとめた.
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