研究課題/領域番号 |
19KK0348
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大川 新之介 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60646909)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | 非可換代数幾何学 / del Pezzo曲面 / ワイル群 / 3次曲面 / 導来圏 |
研究開始時の研究の概要 |
Del Pezzo曲面は最もよく研究されてきた代数曲面の1種である。それらの一般化である非可換del Pezzo曲面は様々な分野と関わる大変興味深い研究対象である。 Del Pezzo曲面は2次元のFano多様体のことであり、その反標準線型系の幾何学が重要である。例えば3次のdel Pezzo曲面は1本の3次方程式で定義される曲面に他ならないが、この大事な事実は反標準線型系の幾何学で説明される。 本研究は、これを非可換del Pezzo曲面に拡張するものである。
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研究成果の概要 |
射影平面を一般の位置にある6点で爆発して得られる代数曲面は3次元射影空間内の3次曲面と同型になる。逆に、後者は必ずこの方法で構成されるが、6点の配置には複数の可能性があり、それはちょうどE6型Weyl群作用の軌道に一致する。本共同研究では、この代数幾何学の記念碑的かつ古典的な結果を非可換代数多様体へ一般化した。すなわち、与えられた3次元非可換射影空間内の3次曲面を非可換射影平面の6点爆発として記述することに成功した。主結果は、後者のモジュライ空間から前者のモジュライ空間への``全空間写像''を特定するという形で定式化された。さらに、準古典極限として得られるPoisson幾何学も解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は2000年頃には認識されていた、非可換射影幾何学の重要な問題の一つであった。今回、モジュライ空間の間の有理射を同定するという形で完全解決できた。主結果の定式化の方法、また、直線のHilbert schemeを利用した証明の手法共に、画期的であった。さらに、この結果により、他の次数の非可換del Pezzo曲面の反標準線型系の幾何学を研究する筋道も立った。加えて、非可換代数多様体を調べるうえで対応するPoisson幾何学に注目することの重要性が明らかになったという点も、手法面において重要な発見であったと考えている。
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