研究概要 |
本研究は,等尺性収縮時,腱組織における鉛直方向(近位-遠位方向)のストレイン(ひずみ)は若齢者よりも高齢者で大きいという仮説を立てた.その結果,腓腹筋を覆う腱膜のストレインは高齢者で顕著に小さく,筋束の短縮量も若年者の4割しかなかった.また,筋束の短縮量に対する腱膜の変位量の比率(ギア比)も高齢者で小さく,1.0未満であった.このことから,高齢者は筋束長変化の絶対量が小さい上,筋束の短縮を効率良く腱膜の変位に増幅するシステムを有しておらず,腱膜のストレインが小さく,その結果,足底屈動作の可動範囲(=踵骨の変位)が小さくなっていることが推察された.
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